片想いデュークさん
「許して、だなんて言いません」の続き






**こういう時は、どうすればいいですか?



「……」

 あの日以来、初めて顔を合わせた彼は無言のまま扉の前に立ち、こちらを見ている。
 ただ真っ直ぐに見ている。
 なんの反応もすることができず、ただその目からは逃れたくて俯いた。

「……」

 何故か、彼が近寄る気配を感じた。
 はっと顔を上げるより先に、身体に感じた温もりに目を見張る。

「……好き、とか、わかんねぇけどさ、」

 背中に回された腕が胴を軽く締め付けた。

「驚いたけど、これは嫌じゃなかったし、」

 きゅぅっと、服に皺を作り、心地よい圧迫感を与えてくる彼。

「さっきアンタが、最後の別れみたいな事言って、……居なくなるって思って、嫌だって思った」

 どう、
 どうすれば、

「もし、こういうのがアンタの言う、『好き』ってやつならさ、」

 どうすれば、いい。

「アンタは、もうオレのこと嫌いになったのか?」

 わからない。

「あんだけ人を悩ませた癖に、アンタは、……っ!」

 わからない、けれど。

「そんな、こと……っ」

 このまま、二人で、ずっと、二人きりで居たいと、時が止まれば良いと、彼を腕に抱きながらそれだけを思った。