高校 黄→黒
初メールver.黄瀬
**
『また黒子っちとバスケできたし』
なんてカッコつけて別れたはいいものの、
「あ〜〜〜〜っ、くろこっちぃ〜〜〜〜〜〜っ」
一歩一歩と距離が開くにつれて、またしたい、もっとしたい、ずっとしたい、ずっと一緒にいたいと募る思いが膨れに膨れ、家に着いたときにはもう我慢できなくなっていた。
「でもここでまた会いに行っちゃたり、誘ったりしたら……」
ひじょーに自分が情けないしカッコ悪いし、黒子っちには呆れられるし火神っちにはバカにされるだろう。
ううっ、それだけは避けたいっ!
泣き寝入りするしかないと落ち込む黄瀬の耳に、ふと携帯の着信音が聞こえた。
着信音はいつもの音ではなく、特別な音。
暫く聞いていなかった音。
はっと、気付くと急いで携帯を取り出しディスプレイを確認する。
一通のメールが受信されていた。
「……黒子っち……っ!」
差出人は、さっきまで一緒にいた黒子テツヤ。
全中の試合が終わった後、どんなメールを出しても電話をしても返って来なくて、いつの間にか諦めていた。忘れていた。
その相手から、数ヶ月振りのメール。
なんだろう、なんて書いてあるんだろう。
妙に心臓がドキドキいって、手が振るえる。
……カチ、カチ。
まさかこのメールも突然消えやしないだろうか。
バカなことを考えながら、慎重にボタンを操作してメールを開く。
件名は、「non title」。
相変わらずでなんだかふと笑ってしまった。
視線をずらして本文を見ると、
----------------
今日は楽しかったです。
また、やりましょう
----------------
……。
スクロールしても、無いものは無い。
反転しても、デコメじゃないから当然無い。
……これ、だけ?
----------------
今日は楽しかったです。
また、やりましょう
----------------
ああ、でも。
それでも、ほんと、相変わらずで。
たったの二行、されど二行。
……今なら、返信してくれるかもしれない。
前のように。
前と同じように。
「……」
カチ。
返信ボタンを押して、カチカチと入力していく。
オレも、楽しかったとまず件名に打ってから、
----------------
また、ゼッタイっ!
やろうね黒子っち!
楽しみにしてるっス!!
----------------
思ったことをそのまま書き出して、送信ボタンを押した後。
もっと書けばよかったとか、なんか「!」マーク多すぎたかなとか、絵文字入れなかったとか色々考えて、不安になった。
ちゃんと届いただろうか。
返信は、来るだろうか。
携帯を握り締めたまま、黒子っちからのメールをまた読み返していると、鳴った。
驚いて落としそうになった携帯を右手へ左手へとパスして、両手で掴む。
早すぎると言えば早すぎる返信。
いつも、三時間は待っていた返信。
下手すると半日は忘れられていたこともあって、こんなに早い返信は、それも、あの時以来始めての返信メールは届いただけでも感動ものだ。
どことなく熱くなる胸を鎮めて、メールを開いた。
----------------
はい
----------------
「……ぷっ」
思わず笑った。
たった二文字。されど二文字。
彼らしい言葉で答えてくれたメール。
数ヶ月振りのやり取りは、中学時代と全く変わっていないように思えて、すごく嬉しくなった。
すごく嬉しくて嬉しくて、嬉しくて。
それでもやっぱり不安で。
----------------
また、メールしてもいい?
----------------
少し迷ってから、送った。
返信はさっきよりも遅かったけれど、変わらない二文字。
----------------
はい
----------------
今度送るときは、遊びに誘おう。
バスケなんて、最高かも。
ああでもその前に、また会いに行っちゃおうかな。
色々考えて、今日はお休みメールで終わった。
おまけ というかラストに持ってきたかった話↓
黒子っちとまたメールができるようになって、 舞い上がったオレは緑間っちにメールをした。
返信は二文字。
「死ね」だった。
……ヒドいっス
------------------
黄瀬君がそこそこ繊細な話
仲直りメールはテツ君からってね