帝光 桃→黒
と 黒子大好きなキセキたち
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テツ君って、かっこいい。
久しぶりの練習試合。
それも、テツ君への思いを自覚してから初めての。
そんな私は改めて試合中の彼を見て、知った。
凄く凄くかっこいい。
相手の意表をついてパスカットしたと思ったら、それがそのまま流れるように、しかし鋭いパスになる。
そしてそこに留まる事無くスゥっとコートにいるたった九人の人陰に隠れて、相手がボールを取るまで広いコートから限りなく姿を消してしまう。
すっごくすっごくかっこいい!
「桃井、桃井、記録付けてるか?」
「へ、あ!あっ、すみませんっ!」
得点版を見ると気付かない間に二点が追加されている。
ばっとコートに視線を持っていけば嬉しそうにテツ君に駆け寄るきーちゃんの姿。
あと、ちょっと不機嫌な大ちゃん。
もうこれだけで誰がシュートを決めたかわかる。
で、シュートの種類は……たぶんレイアップ。
きーちゃんはまだこの試合じゃダンクはできないはず。
手元の表に記入してまだ流れ続けている試合にすぐ目を向ける。
バスケは8分の間殆ど休憩無しで走り続けて、常に状況が変わっていく。
そう、テツ君だけを見ている余裕なんて本当は無い。
でもふとした時にテツ君を視線に入れてしまうとつい……。
「桃井、今の見てたか?」
「え、あ、えっと……」
コートに視線を持っていくと、ミドリンがドリブルをして、丁度3Pを打ったところだ。
「ミドリンの……、ブロックショット……?」
「なんだ、見てたのか」
「あはは……」
「それはそれとして、最近お前集中力足りないぞ?どうかしたのか?」
「なんでもないですなんでもないですっ!」
「そうか……?」
歓声が上がって、シュートが入ったことを知らせてくれる。
「えっと……そろそろ、て、テツ君交代ですよね」
「あー……そうなのか?紫原、お前赤司からなんか聞いてるか?」
「ん〜?あ、うん。黒ちんと交代だよね。聞いてるよ、赤ちんが20得点目入れたら交代だって〜」
「20得点目って……」
再び歓声が上がる。
ゴール下には赤司の姿。
それが確認できたと同時にブザーが鳴った。
「交代だよ、黒子」
「わかりました」
ベンチにみんなが戻ってきて、すぐに赤司君はテツ君にそう告げた。
「えーっ!?黒子っちもうベンチっスか?まだ三回しかパス貰ってないっスよ!?」
「お前の位置取りが悪いだけだろ黄瀬」
「オレだって今回は五回しか回ってきてない。恨むなら青峰を恨むのだよ」
「はあー?赤司のがオレよりテツのボール取ってただろ」
「なんだ青峰。文句があるなら言ってみろ」
「へーへー、悪かったな。オレが悪かったよ」
「黄瀬、お前はもっとディフェンスを考えろ。いくらでも取れるだろう」
「ううっ、そうは言っても……」
「まぁ、その分オレが取ってやるのだよ」
「それはそれこれはこれっスっ!ガンバリマスっ!」
「紫原、いつも通りな」
「うん。黒ちん、行ってくるね〜」
手を振るむっくんに、テツ君は微笑ましいなとでも言うようにはにかんだ。
「はい、行ってらっしゃい」
途端に他の四人がテツ君を取り囲む勢いでテツ君に言葉をお見送りの強請る。
「黒子っち、オレもオレもっ!頑張って点とって来るっスよ!」
「はい、行ってらっしゃい」
「お前が居るとき以上に点が取れるようにするのだよ」
「はい、行ってらっしゃい」
「テツ、オレには?」
「はい、行ってらっしゃい」
「また第3Qには呼ぶから、それまで休んでろ。それじゃ、行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい」
一人一人に声を掛けてあげるテツ君、……優しすぎる!
そんなことやっているうちに、ろくな作戦を立てないまま、試合に対しての反省も何も無くブザーが鳴る。
まぁ、今日ももう既にかなりの点差がついている。
あの五人でこの点差がひっくり返ることは無いだろう。
どうせ試合が終わった後もミーティングするだろうし。
それよりも。
ちらりと隣を見ると、そこには交代したばかりで、まだ少し息の整って無いテツ君。
なんかこう、色っぽいっていうか、かっこいい。
「……あの、桃井さん」
「わっ!え、テツ君!?なに!?」
「今の、見てました?」
「え、あ……」
コートに視線を戻すと、相手チームがドリブルをしている。
今のは痛恨のミス。全く状況がわからない。
「桃井さん、調子悪いんですか?」
「黒子もそう思うか?」
逆隣に座っていたチームメイトが言う。
「さっきからぼーっとしてんだよ、桃井」
「す、すみません……」
流石に耳が痛くて縮こまる。
しかも理由が理由だ。
まさかテツ君に見惚れてましたなんて……。
「桃井さん、調子が悪いなら休んでください。ボクがやりますから」
「えっ」
「次に出るまででしたら、代わりに記録つけてますよ」
「そ、そんなっ!悪いよっ!」
あ、でももしかしてその間テツ君をずっと見てることできたりとか?
ちょっと……それは惹かれるかも……。
そんなヤマシイ事を考えていたら、テツ君が本当に心配だというように、
「ボク、いつもの桃井さんが好きです」
「ふえっ!!??」
いつも、すごく真剣にボクらのバスケを見ていて、考えていて、細かに記録している姿。
凄いなって思ってるんです。それから、そこからの情報処理も。
もし、いつもしているそれが負担になってたら、悪いですから。
ボクにもお手伝いさせてください。
「あ、え、う……、あっ、テツ君!」
なんか、一瞬ものすごい勘違いをしてしまった。
テツ君は、純粋に私の仕事振りを好きだといってくれたみたいだと、理解するのに少し時間がかかった。
その間にテツ君は私の膝に乗っていた記録紙を取って、早くも記入を始めていた。
「いいっ、いいよ!テツ君っ、私やるから!!」
「桃井さん?」
「大丈夫っ。ちょっとぼーっとしちゃっただけだから、ね!」
「そう……ですか?」
「うんっ」
ちょっとベクトルが違っても、好きだといってくれた。
テツ君が私を。
私が試合を記録している姿を好きだと。
そんなことを聞いてしまったらやるしかない。
……テツ君は真面目だからきっと、バスケじゃなくて違うものに気を取られていた私という本当のことを知ってしまったら幻滅されちゃうだろうし。
私は私のできることをしなくちゃ。
「……じゃあ、お願いです」
「なに?」
手を伸ばして記録紙を貰おうとしたら、やんわりと断られた。
「第2Qが終わるまで、やらせてください。ボクも、少しでもチームに貢献したいです」
ふわりと笑ったテツ君はすごく可愛くて、綺麗で、かっこよくて、素敵で、顔が熱くなった。
きっとテツ君はまだ私の調子が悪いと思ってるんだろう。
でも、そんなことを思っているとは感じさせない言葉とか仕草とか、優しさが、凄い。もう。かっこいい!
「じゃ、じゃぁ、ちょっとだけ……」
「はい。ありがとうございます」
結局、第2Qが終わるまでテツ君にやってもらって、その間、殆どテツ君を見ていた私がいた。
第3Qからはちゃんと、テツ君が好きな私の姿を見せれるように仕事をした結果。
試合終了後の試合分析を披露していたら、テツ君に「やっぱり桃井さんは凄いです」と褒められた。
テツ君のおかげだよと、本心から告げると「ボクはほんの少し手伝っただけですよ」とさらりとスマートにこれ以上ないくらいかっこよく言われてしまった。
レギュラー五人がそれを聞きつけて何かとテツ君に褒められたがっていたけれど、私以上に心の篭った褒め言葉を貰った人は居ないだろうと思う。
ただの自惚れかも知れないけれど。
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恋する乙女はかわいいんですが
うまくかけない くやしいぃぃいい!
桃→黒好きです 公式万歳