帝光 黄瀬→黒子
矢印未満 とも言える
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「黄瀬君、君はどうも勘違いをしているようです」
「え?」
なんのことだろう。
いつになく不機嫌そうな黒子に黄瀬は慌てた。
「え、えっ?いきなりどうしたの黒子っち?」
「どうしたもこうしたもないです。君はボクをなんだと思ってるんですか」
言われて黄瀬の頭にまず出てきたのは「黒子っち」。
でもそんなこと聞かれているわけじゃないことくらいわかる。
あと思いつくものとすれば「チームメイト」。「一応(入部が遅かったから)先輩」。「個人能力は低いけど凄い」。
えっと、あとなんだ。
考えようとして、足が止まっていたことに気付いて更に慌てた。
「あっ、ゴメン黒子っち!それ後っ!」
「黄瀬君!」
「はいっ!」
呼ばれて思わずびしっと立ち止まった黄瀬に、黒子は至極不機嫌極まりない声と表情のダブルコンボで黄瀬に告げた。
「ボク、一人で歩けます」
「え、でも」
凄くフラフラしてて今にも倒れそうだったじゃないスか。というか倒れてた。
それもまだ練習開始前。
あと十分もすればみんな集合して、部活が始まるだろう。
だから隅で休んでいたほうがいいと丁度近くに居て、コートのど真ん中で倒れていた黒子を黄瀬は抱き上げたのだが、黒子はそれが気に食わない。
「一人で歩けます。だから下ろしてください」
なにがと言われれば、せめて肩を持ってくれればいいものの、黄瀬の取った行動は俗に言うお姫様抱っこだった。
両手の行き場には非常に困るし、何より女子扱いされているような気分になり最悪だ。
ついでに付け加えるなら自分にはこういう芸当はどう頑張ってもできないことを考えると、黄瀬の筋力が恨めしくてしょうがない。
しかし黄瀬はそれに気付かない。
「こんなフラフラなのに放っておけないっスよ!」
「ちょっ、ちょっと黄瀬君!」
止める間もなくぎゅっとしっかり黒子を抱いて、コートの隅へとさっさと向かい、軽やかに黄瀬は目的を果たしてしまった。
「……」
「大丈夫スか、黒子っち」
「……黄瀬君なんて嫌いです」
「えっ!?」
なんでいきなりなんでときゃんきゃん喚く黄瀬に煩いですとストレートに告げる黒子。
「ともかく、あと五分くらい休んでてくださいっス」
キリが無いと話を切り上げた黄瀬に、黒子はおとなしく頷いた。
「はい」
「あと、なんか食べたほうがいいっスよ」
「はい?」
もうとっくに昼ごはんは食べたし、これから部活も始まる時間。
別に空腹も感じないような時間なのにどうしてと小首を傾げた黒子に、黄瀬は大真面目に答えた。
「黒子っち軽すぎっスから。女の子より軽いんじゃないスか?」
「……黄瀬君なんて大嫌いです」
「え、ぇええええっ!?」
なんでいきなりなんでさっきより酷くなってるの!!??
集合の号令が掛かるまで黄瀬は喚きっぱなしで全く休めなかった黒子は部活中再び倒れた。
黄瀬の思う黒子テツヤの印象に「女の子みたいに軽い」というのと「放っておけない人」というのが加わったある日。
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着々と黒子っちにはまっていく黄瀬くんな話