「え?」

 ちょっとまってそれどういうことどういう意味?
 動揺する降旗に黒子は赤司のことは気にするなと答えた。

「赤司君は同性愛に対して否定的なんです。いえ、同性愛というより、なんといいますか、例え友情であろうと同性間の親密過ぎるやり取りが異常行動に見えるそうなんです」

 黒子が初めてそれを知ったのは、青峰と肩を組んでいた時だ。
 どちらかというと、青峰が肩に腕を回しただけなのだが、黒子も嫌ではなかったので組んでいたといわせてもらう。
 ちょっとした悪ふざけの延長で「このやろー」「痛いです」とかなんとか他愛のないやり取りをしているときだった。

「……ちょっと、近すぎないか?」

 赤司のこの発言に、近くにいたメンバーはみんな驚いた。
 それくらい、赤司以外の人にとっては自然な距離だったのだけれど、赤司はなんともいえない、あえて言えば嫌悪が近いのだろうか、そんな感情を滲ませて言った。

「……青峰は同性愛者なのか?」

 は?
 と未知の言葉を聞いたかのような青峰に「青峰君はホモなのか?って聞かれてますよ」と黒子が翻訳するとたちまち青峰の絶叫が響いた。

「はぁぁああああ!?なんでだよ!?なに言ってんだよっ!?」
「青峰は黒子が好きなのかと聞いている」
「好きか嫌いか聞かれたらテツのことは好きだけど……オレはホモじゃねぇっ!!」

 あの時の青峰君は今と比べるととても素直でしたね。もう二度と「好き」だなんて言ってもらえないでしょうから。あ、もちろん友情の意味でですよ。それ以上は例え冗談でもお断りです。
 ちょいちょい感想を交えて黒子は続ける。

「黒子は?」
「青峰君は好きですが、恋愛面や性的趣向のことでしたらどちらかと言えば女性に興味があります」
「……そうか」

 険しい顔のまま青峰と黒子を見る赤司の冷たい目は、見つめられている側からするととても痛く突き刺さり、なんとなくそれ以降青峰と黒子だけでなく、バスケ部内で肩を組んだりすることは少なくなった。

「その後、灰崎君たちのおかげで大分赤司君の見方も変わったんですけどね。肩を組むくらいなら友情の内に入ると考え直してくれた程度には」
「ナニソレ。……赤司ってそういうトラウマ持ってたりすんの?」

 あまりにも赤司の周りに対するホモ判定が低いことに、降旗はまさかと声を潜めた。
 正直めっちゃ恐いが、一応赤司も自分と同い年。しかも自分とは違いやたらとイケメン。
 人には言いにくい過去を持ってたりとか……、漫画の読みすぎだろうか。

「さあ……それは知りませんが、たぶん違うと思いますよ」

 やはり漫画の読みすぎか。

「そういうわけですから、赤司君の言うことは気にしなくていいですよ。気持ち悪いとか、異常だとか言われたのでしょう?」
「……うん……、ん?」
「誰になんと言われようと、世間では認められなくても、ボクは君のことが好きだ。まだ付き合い始めたばかりですけど、ボクは、これからもずっと君の隣にいたい」
「っな、ちょ、それズルいだろ!」

 不意打ちの告白に、降旗は違和感のことなんて忘れてしまった。

「オレだって赤司になんて言われたってお前のことが好きだよ。じゃなきゃ、……男に告白されて頷かないって」
「……ありがとうございます」

 嬉しいです。
 なんて小さく黒子が言うのを可愛いなぁなんてフワフワした気持ちで聞く。
 ――そうだ。
 何度否定されたって黒子が自分に告白してくれた事実は変わらないし、自分がそれに頷いたことも変わらない。
 自分だって、ちょっと前までは「ホモとか気持ち悪い」と思っていたんだ。
 それなのに黒子が好きみたいで、なんなんだよ男相手にオレ気持ち悪いとか、行き過ぎた友情かなとか、自分のちょっとした行動にいつも変なことがなかったか妙に気を張っていた。
 それこそ、肩を組むのでさえ負担を掛けてないかとか、近すぎないかだとか、オレ臭くないかとか、黒子いい匂いだけどそう思うオレって気持ち悪いっつか変だろとか色々考えて緊張していた。
 黒子から好きだって言われて漸く「好きでいいの?」と自分の気持ちに素直になれたくらいなんだから。
 きっと黒子から先に告白されなければいつまでも自分はおかしい、この気持ちは気のせいだと思い続けていたに違いない。
 だから、赤司が自分たちを見て気持ち悪いと言うのも異常だと言うのも、気持ちはわからなくもない。
 だけど、黒子の言うとおりだ。

「あのさ、」
「なんですか?」
「好きだよ」

 誰になんと言われようと好きだ。
 赤司の言うように、もしかしたらいつか自分たちは他にイイ人を見つけて別れるかもしれない。
 それでも今は、

「すき」

 この単純な感情を共有する幸せに浸っていよう。


 ――と、降旗が黒子と共にバカップルよろしく告白大会をしている間に、京都からの特別夜行便は東京に向かって走り出していたことを二人はまだ知らない。


















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灰崎と黄瀬の過剰なスキンシップ(?)に赤司くんギリィ…
青峰のナチュラルスキンシップに赤司くんイラァ…
紫原との喧嘩に赤司くんハラハラ&ほっ
緑間が世話を焼く度赤司くんウズウズ
桃井のアタックを見て赤司くん頷きながらモヤモヤ
そんな中学生男子赤司くんが高校生になり、みんな進学先が別れたというのに相変わらず影の薄い元チームメイトにはやたらと距離の近いヤツがいて大丈夫だろうかと心配している(のはうっかり男色になんかならないかと、このまま真っ当な道を歩いて欲しいが故の思いだ)ところ
現れたのは見た目は凡人中身も凡人だが人を間違った道へと強引に(ココジュウヨウ!)連れ出し真っ当な人を惑わす悪人だった!!

お前は騙されているんだ!
騙されるもなにも、ボクが勝手に好きになったんです。まぁ、君に理解してもらおうとは思っていませんが……彼が好きなのはボク自身の気持ちです。
……明日、そっちに行くから。
え、ちょ、赤司くん?

僕があの子を助けなければ!
守らなければ!

洗脳されてしまった元チームメイトを救うため、赤司は立ち上がった!


次回

誠凜高校バスケットボール部はいつものように朝練のため朝早くから集まっていた

あれ、フリは?
まだ来てないな
黒子も来てないっぽいぜ
珍しいな〜、まぁまだ始まるまで時間あるけど

こんにちわ

え?


そこに現れたのは逆光を背負い、瞳孔をかっ開いた赤司だった!


降旗君と少し前から恋人としてお付き合いさせていただいてます
僕は認めない!
なんか、昼ドラ見てる気分だな
朝ドラじゃないのか?




ってのを読みたいんですが どこに行けば読めますか?