みこんびとロイドの幸せ家族計画

仲良しみこんびもケンカぐらいします

 

**どっち?

 

「絶対、違うもんっ!!」
「いいやっ!コレットちゃんは間違ってるっ!!」
「ゼロスが間違ってるんだよっ!!」

 睨み合う両者。
 珍しいなとロイドは思いながら近付いた。

「どうしたんだ?二人とも」
「「ロイドっ!!」」
「うわっ!」

 大音量のステレオにがしりと両腕を掴まれた。

「ゼロスったら酷いんだよっ!!」
「コレットちゃんたらわかってくれないだぜ!?」
「いっぺんに言うなっ!!わかんねぇよ!!」

 負けじとロイドは声を張り上げた。
 二人は「うーっ」と唸り静かになった。
 あ、なんか新鮮だ。
 ちょっとした快感を感じながら、ロイドはどうしたんだよとコレットに尋ね直した。

「あのねっ、ロイドに似合うのはどっちかなって話してたの」

 オレ?
 ロイドは首を捻った。

「オレがなんだって?」
「だぁらー、ロイド君に似合うのはどっち、って話してたの」

 ゼロスが口を尖らせながらそう言えば、コレットがきっ、とゼロスを睨み付けた。
 こんな顔もするのかと、初めて見たコレットの険しい表情にロイドは驚いたが、その口から飛び出た予想外の発言にその驚きは全部持っていかれた。

「そしたらね、ゼロスったら、ロイドは猫だ、っていうんだよ?わかってないよね」

 ロイドは犬だよね。
 語尾にハートマークが付いていたのはたぶん気のせいだよなと、ロイドはほんのちょびっとだけ逃避した。

「なに言ってんのーっ。ロイドは猫っ!絶対猫っ!!」
「犬だもんっ!!」

 ゼロスが反論すると、すかさず否定するコレット。

「ロイドはどう思うっ!?」
「もっちろん猫だよなぁハニー!!」
「犬だよね!?そうだよねっ!!」

 必死に同意を求めてくる二人。

「つーか、似合うってどういう意味で?」

 きょとんと目を丸くした二人は同時に答えた。

「「耳と尻尾」」

 ……。

「だから、ロイドは絶対、犬だよっ!!だって、あの眉毛とか、くりくりの目とか、楽しそうに走ってるのとかワンちゃんそっくりだもん!!」
「いーや!気まぐれで飽きっぽくて、然り気無く実は俺様気質なとことか、暖かいところで丸くなってるところとかどう考えても猫でしょう!!」

 絶対、犬、猫。
 お互い譲る気は全く無いらしい。
 同じ様なことを何度も繰り返し言うコレットとゼロスは飽きもせずよくやるものだと、すでにやり取りを見るのに飽きてきた(というより呆れてきた)ロイドは頬を数回掻くと、言い合う二人を放って台所へ姿を消した。
 自分も小腹が減ったし、二人とも好きなフルーツポンチでも作ろうか。
 作り終わる頃には二人も落ち着いてるかな、なんて平和なことを考えた。