みこんびとロイドの幸せ家族計画
ロイド君、コスプレ(?)の巻
**とりあえず次は写真を撮らせてね
ふわりと笑うコレット。
ゼロスはとろけそうな笑みを浮かべる。
ロイドは――「お前らはなにがしたいんだ」
思いっきり顔をしかめていた。
「すごくかっこいいよロイド!」
「ロイド君すげぇ似合ってるよ!」コレットとゼロスが大絶賛するのに対して顔を歪めるロイド。
朝起きたら、普段着が無くなっていた。
あの赤い服はすごく目立つ筈なのに視界の端にも映らない。
そんなロイドの枕元に、ベッドのシーツとも枕とも違う、白の盛り上がりがあった。
なんだと思って広げてみればどうやら服らしい。
他に用意もなく、仕方無しにロイドは袖を通した上で、恐らくは自分の服を隠したであろう二人に尋ね訊いた。「オレの服どこだよ」
ダイクに作ってもらったお気に入りの服が残らず姿を消している。
ロイドは怒るべきか悩んでいたが、褒められるのに悪い気はしない為、気分的に複雑だ。
それがそのまま顔に出ているロイドの質問にはゼロスが答えた。「とりあえず隠しといた」
「とりあえずぅ?」幾らか疑問が浮かんだものの、とりあえず「なんで」と聞くと今度はコレットが答えた。
「今日はその服で過ごして欲しいの」
「これで?」
「うんっ」ロイドは改めて今着ている服を見直した。
白い服だ。
腕回りや胴回りがぶかっとはしてるものの、裾は丁度よいからこういうゆったりとしたデザインなのだろう。
胸元は大きく空き、逆三角の布地が張られていて、下を向いている頂点から辺に沿って襟らしいものが延び、肩の後ろまで小さなマントの様にある。
この大きな襟のようなものに紺色のラインが二本引かれていて、同じようなラインがきゅっと手首回りだけすぼまった裾にも引かれている。
ズボンもゆったりとした作りをしていてわりと動きやすい。やっぱりこちらも白地で、裾の方に紺色のラインが二本引かれている。
別に、それほどおかしな格好でもないし、動きにくくもない。
ロイドは首を傾げながら了承した。「いいけど?」
「ほんとっ!?」
「やったぁっ!!」きゃいきゃいと二人ははしゃいだ。
「ロイドロイドっ!これもかぶって欲しいなっ」
「服とセットなんだぜ?」コレットが両手で持ち上げたそれは白くて丸い帽子だった。
青いリボンが然り気無く付いてるが、V字カットされたそれがアクセントになっているだけだ。
女の子用のものでもなさそうだからまぁいいか。
ロイドは頷いた。「いいぜ」
「きゃあっ!」
「ありがとうロイド君っ!!」見るからに頬を紅潮させ興奮している二人を不思議に思いながら、ロイドは帽子を被った。
「ああっ!ロイド君っ、コレ、コレも付けて!!」
ゼロスが取り出したのは青い布だった。
「どこに付けるんだ?」
「わたしが付けてあげるねっ!」コレットが布を受けとると、マントのような襟の下から回し入れ、胸元でネクタイのように縛った。
「ロイド君最高っ!!」
「すごく似合ってるよ!」
「そーかぁ?」手放しで誉めちぎられ、どこがそんなに良いのかわからないままほんのり頬を朱に染めて照れるロイド。
こうして、立派な水兵スタイルに身を包んだロイドが完成した訳だが、これはただの序章に過ぎなかった。
しかし、今のロイドがその事を知る由もない。
ただただ、上機嫌の二人の様子を見て和み、誉められて照れるばかりだった。