暗 い!!
クラトスルート後
長生きロイド君 現代パラレル
暗いよ!!
**幸せに朱色は無い
まだ手に残ってる、消えない肉の感触。
目に焼き付いた赤色。
自分を嗤う声。
その全てが吹き飛んだ。
「オレ、お前が好きだ!」
「……はぁ?」
いつの日かと同じ様に、アイツじゃないアイツは女の人に囲まれていた。
「なんだよボウズ。オレ様、そっちのケはねーよ。でひゃひゃひゃひゃっ」
いつの日かと同じ様に、アイツじゃないアイツは冷めた目で笑っていた。
「オレはロイドだ」
「悪いね、オレ様女の子の名前しか覚えらんねーの」
たぶん向こうにとっては最悪の出会いだったんだろう。
それでも構わなかった。
「お前も、いい加減しつこい性格だな」
何度も何度も、自分でもストーカーかと思うほどに付きまとい続けて、何度も何度もくだらない日常の話をしているうちにだんだんと打ち解けてきたんだと思いたい。
「ロイド君はなんでオレ様のこと好きなの?」
「お前がいいヤツだからだよ」
「オレ様、自分で言うのもアレだけど、相当悪いヤツよ?」
「いいヤツだよ、お前は」
最初は会話にもならなかったものが、会話になっていって凄く嬉しかった。
明らかな嫌悪感、不快感、不信感を顔に出していたのも、だんだんと和らいできて、その度にオレは心の中で喜んでいた。
「なぁゼロス、今度遊びに行かないか?」
「んーいいけど、ちゃんとロイドも出せよ?」
「わかってるって!」
そのうち二人で遊びに行けるようにもなって、酷く幸せというのを感じた。
オレが、止めてしまったもの。
それが全部目の前にある。
一緒に立って、歩いて、走って、笑って、同じものを見て――。
ほんの些細なことに涙が滲んでくるほど嬉しく思った。
ずっと、ずっと二人で遊んでいたかった。
幸せだった。
「オレのこと好きって言ったのって本当?」
だから、わからなかった。
「は?当たり前だろ」
また、わからなかった。
「本当に、オレ?」
だって、幸せだった。
「なぁ、誰を見てるんだ?オレ?違うね。一体誰を見てるんだ」
「なに言ってるんだよ」
「馬鹿だよな。ああ、わかってるぜ、オレは馬鹿野郎だ。今更気付いたんだからな。お前の台詞全部そのまま受け取って、思い込んで、馬鹿だよな」
「なに言ってるんだよっ」
わからなかった。
「 」
最初からそのつもりだったんだろうか。
背中から、落ちた。
話があると言って呼び出されたビルの屋上から、真っ逆さまに。
ゼロスが落ちた。
一瞬前の夕日の色が、光が、雲が、ゼロスの背中から羽のように広がっていたのがフラッシュバックする。
同時に、重く感じる手。
忘れかけてたものが一瞬で記憶に蘇る。
「ぁ……」
――また、だ。
「あぁ……っ」
――また、オレは、
「うぁあああああああっ!!!!!!!」
――ゼロスを殺したんだ。