**天然って恐ろしい



「ロイドく〜ん、オレ様の愛を受け取って〜っ」

 両腕を広げ駆けてくるゼロスからロイドはうわおっとと避けた。

「ちょっとロイド君避けないでよ!」
「避けるに決まってるだろっ」

 全速力で突撃されたらたまったもんじゃない。
 言ったロイドにゼロスがでひゃひゃと笑った。

「オレ様の愛はいつでも全力投球で送るものなんだぜっ」
「じゃあロイドは受け取れないね」

 突然増えた声に二人が首を回すと、そこにはコレットが居た。

「コレット?」
「どういう意味かなコレットちゃん?」
「だって、ミットがなきゃ取れないもんっ」

 手が折れちゃうよと言ってロイドの手を握るコレットに、対抗心が起ったゼロスはもう片方の手を取った。

「折れてもオレ様が愛の力でぱーぺきに治療してあげるもんね〜」
「じゃあ、私はお粥作ってあげるっ!」
「お粥はいらないっしょ?」
「どうでもいいけど、お前ら人の手を勝手に折るなよな」

 呆れたように言ったロイドは二人の手を離すように言う。

「折れたら細工できなくなるだろ?」
「え、そこなの?」

 あれ、でも……。
 いや、寧ろどこからだったかとゼロスが首を捻ったのは一瞬だったが、もうロイドは背中を向けている。

「ところで、野球はどこでするの?」

 にこやかに首を傾げるコレットにゼロスは脱力した。