三人幸せ家族計画

 

**だってかわいいから

 

「ねぇ、ロイド君」
「ん?」
「コレ、着てくんない?」
「死ね」

 オレは思いっきりゼロスを殴り飛ばした。
 みずほの服を着ろだとか、動きにくい礼服だったわけじゃない。
 両手の人差し指で摘ままれてオレの目の前に広げられたソレは、どこからどう見ても女の子が着るスカートだった。

「お前なぁ、オレがこんなん着てもキモいだけだろ!!」
「いやっ、そんなことないって!!ぜってぇ可愛いって!!!!!!」「キモいキショイ気持ち悪い!!!!!!!!」

 力の限り殴り飛ばしたはずのゼロスは直ぐに立ち直り、まだふざけた事を言うものだから今度はハリセン(ルイン購入特産品)で殴ったが、これまたすぐに起き上がった。

「ロイド、オレは本気だ」
「その本気は別の機会に出してくれ」
「ローイドっ!!」

 くるりと振り向くとコレットが心からの笑顔を浮かべながら走り寄ってきた。

「これとこっち、どっちがイイかな?」

 手にはネコミミバンドといぬのみみを模した、言うなればイヌミミバンドを持ちながら。

「……どっちも嫌なんだけど」
「「ぇええっ!!!!」」

 二人は大袈裟に飛び退いた。
 ……なんだよ。オレがなんか変みたいじゃないか。
 変なのはたぶんというか絶対この二人なのになぜか悪い気がしてしまう。

「どうして?」
「どうしてって……」

 本当に不思議そうにこっちを見上げないでほしい。
 どうしてもなにもないだろ。

「そう!!コレットちゃん聞いてくれよ!!ロイド君ったらこれ着てくんねーの!!!!!」

 ぴらりと出てきたのはさっきのスカート。

「だから、あたりま」
「ぇえ!!!!!ロイド、どうして!!!」
「……」

 信じられないと言うような顔をしながらコレットは言うが、その反応のが信じられない。
 コレットは最近強く頭をぶつけたりしたんだろうか?主に転んだことが原因で。
 あり得そうで怖い……。

「これはもう、身体に直接言うこと聞かせなきゃだね!!」
「でっしょー?」
「え゛。ちょ、ちょっと待てお前ら」

 なにか聞きたくない台詞を言った気がする二人はニッコリと笑い、オレの肩にそれぞれが手を乗せた。

「「着たくなったらいつでも言ってね」」

 するりと同時に外されたサスペンダーに、これから起きる事をある程度予測立てたロイドは息を呑んだ。

「ぃっ……いやだぁぁあああああ!!!!!!!」