**君には勝てない

 

 首に巻き付いたのは長い指だ。
 肌にピッタリくっついて、離れそうもない。
 吸い付くように触れている手はまるでオレの一部かのようにも思えたけれど、掛かる圧力によってそんなことはないのだと実感させられる。

「……なんで抵抗しないの?」

 赤い髪が揺れた。

「じゃあ、なんで、笑ってるんだ?」

 

 そう言ってオレが目を閉じると、小さな嗚咽が聞こえた気がした。