**恋する乙女の祈りと努力

 

「……もう少し、おっきくならないかな?」
「なにしてんだ?」
「きゃぁっ!!」

 ロイドが見たのは胸元に手を置いてなにかを祈っている様子のコレットで、いったい何を今度は想っているのだろうといつものように声を掛けただけだ。
 予想外の悲鳴とも取れる声にロイドは驚いた。

「ごっ、ごめん!!」
「あっ、ごめっ、ごめんねロイド!」

 わたわたと幼馴染みに心配されロイドは首を振る。

「いや、もともといきなり声かけた俺が悪いしさ……でもビックリした」
「ごめんね」
「だから謝んなって!」

 いつまでも謝り続けそうなコレットを見て慌ててロイドは話題を変えることにした。

「そうそう。で、お前は今度は何をお祈りしてたんだ?」
「お祈り……?」

 珍しく首を捻ったコレットにロイドは逆に心配になった。

「どうした?なんか、悩みでもあるのか?」
「あっ、ちっ、違うよ!なんでもない!!なんでもないよ!そう、お祈りしてたの!」
「……絶対違うだろ」

 慌てて取り繕うコレットに疑惑の眼差しを向けるが、コレットは頭を振る。

「ううん。お祈り。……大きくなれますようにって」
「ふーん、どこが?」
「ぇっ、えっと……、色々!」
「そっか、色々か。オレもでかくなるぞ!」
「ロイドはもう充分大きいよ」
「そうか?まだまだっ」

 いつものように二人で笑っているなか、コレットは胸中で盛大に安堵の息を漏らしていた。

「(胸、揉んでるとこ見られてなくてよかったぁ……)」

 恋する乙女は今日も頑張る。