ゼロスルートな二人旅途中
密かに天使化していたロイド君
ゼロスにバレちゃった
**そして、
背中には壁、目の前には冷えきった目をしたゼロス。
その視線と圧力が痛くて喉が潰れそうだ。「なんで黙ってた」
「……」ばれてしまった。
よりにもよって、ゼロスに。
言うつもりだったのになかなか言い出せなくて、遂に一年経ってしまったけれど、それでも言うつもりだった。
それなのに、そうと告白する前にバレてしまった。「……だ、黙ってた訳じゃ」
「じゃあ聞くけどよ、いつからだ」思わず息を呑み込む。
言い訳を言う前にゼロスは早口で勝手に喋る。「どうせあのガキぶっ倒してからなんだろ。食も細くなったし、お前一緒に旅に出んの嫌がったもんなぁ。やっぱ一人で行くとかなんとか言ってよ。なんの冗談かと思ったけど、お前事有る毎家に帰れって言うもんな。オレは……っ、オレは、信用できないってか?」
「違う!!」目が熱くなった。
ゼロスは相変わらず冷たい目でオレを見る。「違うんだ!!お前には言おうと思ってたんだ!!」
「じゃあなんでっ!!!!」ドンと壁を叩かれて思わずビクリと身がすくんだ。
「……なん、で……っ」
「ゼロ……ス……」ポタリと冷たいものが落ちてきて、頬を伝った。
自分のものかとも思ったがまだ自分の目からは溢れてないはず。
だとすればゼロスのものだということになる。
改めてゼロスを見れば、酷く顔を歪めながら涙を溢していた。「……ごめん」
泣きたかったのはオレもなのに、泣けなくなった。
サラリと垂れる赤い髪を撫でると頭が肩に落ちてきた。
じわりと服に染みて冷たいと思ったのは一瞬ですぐに体温と同じ温かさになった。「ほんとに、言おうと思ってたんだ」
声も上げず泣くゼロス。
「でも、お前、嫌いだろ」
嫌われたくなかったんだと言えば、肩の上の頭が押し付けるように動いた。
「……かよ」
「ん?」
「本当に、それだけかよ」
「……心配、かけたくなかった」素直に告げた後、腹部に衝撃が走った。
「ぐっ!!」
「……これで勘弁してやる」無防備な腹に打撃をくらいむせ返り、げほげほと咳き込むオレの頭にゼロスは手をのせた。
「心配なんていつでもしてる。なんになったって、ロイドの事好きなのは変わらない。でも」
ぎゅっと、暖かい身体に包まれた。
「……抱え込むのは、もう無しにしてくれ」
その言葉に頷くことはできなかったけれど、瞬間的に視界が滲んだ気がした。
そして、独りの旅が始まる。