バレンタインネタ

みこんびとロイドの幸せ家族計画設定

ありがちネタ

 

**これから始まるチョコレートパーティ。参加者三名限定です

 

 甘い匂いがふわりと香る。

「今日はバレンタインデーだよっ」

 はいといって渡されたピンクの包み。
 恐らく中身はチョコレートだろう。

「サンキューっ、コレット。……改めて貰うと恥ずかしいなぁ」
「えへへ。わたしもー」
「コレットちゃん。オレ様の分は?」
「え、無いよ?」
「がんっ!!オレ様ショック!!!!!」

 小首を傾げてなにを言っているのと、無垢な瞳で見つめられたゼロスはロイドに泣きついた。
 本命が別にいるとはいえ、流石に女の子からチョコを貰えないのは悲しいらしい。

「ロイドくぅーん」
「当たり前だけど、オレ、なんにも用意してないぞ」

 オレは貰う側だと胸を張るロイドにゼロスはデスヨネーと変に高い声を上げた。

「でも、ちゃんとプレゼントはあるよ」
「え、なになにコレットちゃん!!」

 期待溢れる声に、ふふっとほんのり顔を赤らめたコレットは銀色の大きめなボウルを差し出した。

「はいっ」

 中にはたっぷりと茶色い、液体と個体のあいのこのようなどろっとしたもの――色といい匂いといい湯煎されたチョコレートだろう――が入っていた。

「これってチョコか?」
「うん」

 覗き込んだロイドが問えば満面の笑みのコレットが頷いた。
 確かに自分が貰ったものと違い、固形化されてないし包装にも包まれてないそれ。
 流石のロイドも、明らかに作りかけに見えるこれってもしかしなくともイジメかと思ったが、ショックを受けていたゼロスを見ると意外にも顔を輝かせていた。

「ゼロス、一杯食べてもいいけど、ちゃんとわたしにも食べさせてよね?」
「コレットちゃん……っ!!」

 なんだか喜んでいるようだからまぁいいかと仲の良い二人の様子にあははと笑っていたら不意に腕を掴まれた。

「ん?」
「よしっ、やっぱ食べるなら机がいいかなぁコレットちゃん」
「うんっ。楽しみだね、ゼロスっ」
「なんだ?もうチョコ食べるのか?」
「「うん」」

 なんともまぁ幸せそうに笑む二人を見て、この二人はそんなにチョコが好きだったのかと残念な勘違いをロイドはした。
 かといって、ロイドがこれから身に起こることを悟っていたとしても回避できたかどうかはなんともいえない。