現代パラレル
**あなたなら、どうする?
見慣れない携帯だった。
「あれ?ゼロス、また携帯変えたのか?」
待ち合わせ場所に少し遅れて着いたロイドは、パチンと閉じられた赤い携帯を興味津々に眺めた。
「見てもいいけど、新しくはないぜ?」
「そうなのか?」ちゃらりと携帯に付いたキーホルダーが音を立て一緒にロイドの手に渡る。
「でもオレ見たことないぞ……ん?」
型番をよく見ると確かに最新のものより二つ番号がずれていた。
あれ?と首を捻るロイド。「なんで古くなってるんだ?」
少し前に最新機種ゲット!と騒いで見せてくれたものよりも新しいかと思ったらゼロスの言う通り、全く新しくなかった。
「ロイド君が見たことないだけ」
ロイド君が知ってるのはこれでしょ?と、鞄の外ポケットから取り出したのは確かに覚えのある真新しい黒い携帯だった。
「えっ、二個持ってるのか?」
「まぁね」ふふんと、鼻唄でもしそうな上機嫌のゼロスに、ロイドはまた首を捻った。
「でも二つなんて必要ないだろ?」
「必要必要」ポケットに赤い携帯をしまい、今度は黒い携帯をゼロスは弄り始めた。
「なんで?」
携帯の画面を見ながらにたつくゼロスは一層笑みを深くした。
「知りたい?」
もちろんと首を縦に振れば、新しい携帯をパチンと閉じて指した。
「これは女の子専用。そんでもって」
ゼロスはポケットからまた赤い携帯を取り出し、顔の横に持ち上げた。
「これは、ロイド君専用」
今度、新しく赤い携帯が出たら買い換えてあげる。と言われたオレがとれた行動と言えば、口をただぽかんと開くことだけだった。