時期?そんなの知らない\(^O^)/
**クリームスパゲッティ
ver.フレン
「口にソース付いてるよ」
珍しく外食に来たユーリとフレン。
店はガランとしていたが、時間が時間だ。出歩く人事態少ない。
ユーリはクリームスパゲッティ、フレンは青菜のスパゲッティをそれぞれ頼んでいた。
各々の料理が届き、口に運び始めて間もなく、フレンの第一声がそれだ。「あ?そりゃ食べてんだから付くだろ」
構わず口に運んでいくユーリにフレンは眉間に皺をよせた。
「なんだよ」
「行儀が悪いよ」ユーリはまた始まったとため息を付いた。
皿の中心。まだ小山のように盛られているパスタにフォークを挿し、ぐるぐると回して頃合いを見計らい口に運ぶ。
口から垂れるフォークで巻き取りきれなかったものを、塊を口に置いてきたフォークで拾い上げて食む。
美味い。
口いっぱいに詰めたものを咀嚼し飲み込んで、水で流し込む。
心なしかフレンの眉間の皺が増えた上、顔が若干赤い気もするが気のせいにしておく。「まだ食い始めたばかりなんだぜ?どうせ拭いてもまた付く。後で拭えばいいだろ」
「気を付けて食べれば付かないよ。今の君の姿は下半身的にも危ないから僕の為にもやめてくれ」
「前半は同意するけど、そんな気の疲れる食事なんかしたくない」後半は意味がわからないからと無視するユーリにじゃあとフレンがナプキンを手にとり立ち上がった。
「ちょっ、おま」
「黙って」大の男(しかも顔も性格も良いと評判の騎士様)が机を挟んで向かいにいる大の男の口を丁寧に拭っていく。
どんな図だ。
人気は少ないもののと、ユーリは怒りに近いような情けないような恥ずかしいような……複雑な気持になった。「おいやふぇお……っ」
「黙ってってば」制止の声を挙げようと口を開けた瞬間に侵入してきたのはナプキンと、おそらくは複数の指。
明らかにこれはおかしい。
まさか口内も拭くとかアホなことは言わないだろうかと頭を過ったが、流石にない。ないはずだ。
手元が狂うにしても限度があるだろうとも言えず口を開けたまま固まっていたユーリにフレンがにこりと笑う。「ユーリ。ちゃんと食べないと……ナプキンじゃなくて今度は僕が綺麗にするからね」
スっと手が離れ解放された。
何事も無かったかのようにフレンは席に腰を落ち着かせ手と口を動かし始めたが、そんなわけにゃいかない。
しかし上手く言葉にできない。
どうにも発散できない想いをフォークと共に握り潰すかのよう拳を震わせ睨み付けるユーリに、フレンはというと全く動じず、寧ろ笑みさえ浮かべた。「食べないの?」
「く…………っ食うにきまってんだろ!!」フォークを握り直し、皿が割れるのではと心配しそうなほど勢いよく突き立てた先は皿の縁近くのほんの数量。
これ迄の人生、未だかつてやってみようかだなんて軽い気持ちでさえ微塵にも感じ無かったお上品な食べ方への挑戦が始まった。
同時に、もうフレンの前でこんなの頼まないと誓ったのは顔には出ていないだろうが、なぜか火照る顔と一緒で秘密だ。