付き合ってる二人
**いっそ無駄な意地を張るなと言おうか
最近、好きだと思うものが増えた。
いや、もともと好きだったが、よりそう思うようになったのだ。
ジッとむくれながらこちらを見詰めてくるその視線を密かに堪能し、間を置いてから応えた。
「……どうした?」
「別になんでもねぇよ」
途端顔を逸らし、更には不機嫌そうに声を上げる相手に頃合いかと広げていた本を閉じた。
「ユーリ」
声を掛ければパチリと大きな瞳を瞬き輝かせこちらを向いた。
「口にしなければわからない」
暗に言った言葉が届いたのかどうかはわからない。
おそらくは届いたと思ってはいるが、ユーリは言葉にするのがどうも不得手のようだ。
またもむすりと口をへの字に曲げながら、私が手に持っていた本を奪ってソファの隅に投げ捨てた。
「これでもわかんねぇ?」
肩に腕を乗せられ紫水晶に私が映る。
ここで折れるのでは、折角の言葉が聞けなくなってしまう。
そう思うと、するりと口から戯言が出た。