死ネタ

感情の無かったデュークと
先に逝ったユーリ






















**笑みが浮かんだ瞬間




「もうすぐ死ぬかもな」

 青年が言った。

「冗談だよ」

 青年が言った。

「でも、いつかは死ぬんだよな」

 青年が言った。

「そんとき、アンタはどう思ってくれんだろうな」

 青年が言った。

「ちったぁ悲しんでくれても構わないんだぜ」

 青年が言った。






 青年が逝った。






 何とも思わなかった。
 自分がどう思っているのか、悲しいのか、そうでないのかもわからなかった。
 ただその事実を知り、受け入れた。
 それから長い、









 長い、
















 長い、






















 永い、時が経った。






 もうすぐ、私も終る。



 その時になって、暫く思い出すことも無かった黒衣の彼を思い出した。
 悲しむかと聞かれた事。
 あの時、私は何も思わなかった。
 瞼を閉ざし、今は思う。
 あの時、悲しくはなかった。
 けれど、彼が逝った後の世界は随分と色褪せていた。
 あの時から、感慨もなにもなく、ただただ時間だけが経っていた。
 しかし今は、広がる闇に喜びを感じる。
 嬉しさを感じる。
 安らぎを感じる。
 暖かさを感じる。
 久しく感じていなかったもの全てを感じ、思い、理解した。
 私に感情を与えていたのは彼だったのだ。
 闇の向こうに居るであろう存在に、徐々に脈の遅くなる心の臓も、冷めていく体温も、真逆に感じる。
 迫る死に、闇に、――彼に、手を伸ばした。