マニアックなデュクユリ (「十年くらい前から」成立後設定)

可哀想な親友くん

親友視点で



わからない人にはわからないと思うので年齢制限無しで←

ある意味?下ネタ


そんな話

嫌な予感がしたら退避願います


おけですか?



 

 

 

 



**せめて台風注意報が欲しい今日この頃



 突然ですが、

「匿ってくれフレンっ!」

 僕の親友は、同性愛者です。
 別に僕は偏見なんて持ってないからそれはそれで構わない。
 僕らが友人という関係であることは変わり無いから、ほんと構わない。
 けれどね、

「失礼する」
「ひッ!来たっ!!」

 痴話喧嘩に僕を巻き込まないで欲しい。

「こんにちは、デュークさん」
「ユーリ。帰るぞ」

 今日もまた無視ですかわかってましたがなにかやるせない。

「今日と言う今日こそ絶対っ、何がなんでも拒否する!断固拒否するっ!」

 自分達より幅のある、見るからに屈強なならず者複数人に囲まれても不敵な笑みを溢し挑発した上で喧嘩を買うような常日頃と違い、ユーリは今僕を盾に震えている。
 二十一年間、幼馴染みという立場で誰よりも彼と一緒に過ごし、彼を知っていると自負していた自分でもこんな彼は見たことが無い――と言いたい。
 が、残念ながら、ここ最近ずっとの事で新鮮味は失せている。

「ユーリ、我儘はいい加減にしろ」
「アンタこそいい加減にしてくれっ!」

 未だ僕を盾にデュークさん――ユーリの彼氏さん――に向かって叫ぶユーリ。
 そのせいで勿論デュークさんは僕を含めてユーリを睨んでいる。
 ……僕、関係ないのに。

「もう無理っ、付き合いきれねぇっ!普通にしてくれよっ!」
「普通で満足出来ん奴が何を言うのだ。私はお前の為を思って、」
「どこが!?完っ全にアンタの趣味だろっ!?」

 僕を挟んでの痴話喧嘩は多少内容に変化があるものの、あまり変わり映えしない。
 いつもユーリがデュークさんの趣味が悪い、付き合いきれないと言うのだ。
 その趣味がどういったものかはあまり詳しく聞きたくないのに二人は僕の心情などお構い無しに痴話喧嘩を続ける。

「尿道ってメチャクチャ痛いんだぞっ!?わかってんのかっ!わかってないだろっ!!もうしないって言ったじゃねぇかっ!」
「もっと奥に欲しいと強請ったのは誰だ?痛いのがいいと言ったのは?この間なんでもすると言ったのは?」
「あんな誘導尋問無効に決まってんだろっ!無効だ無効っ!」

 顔を真っ赤に染めているのは恥じらいからか怒りからか流石によくわからない。
 それにしても尿道って……一体何をどうしているんですかあなた達。
 いや、聞きたくないけど。

「折角お前の為に新しいカテーテルを買ったのに無駄にする気か」
「頼んだ覚えは無いっ、返品してこいっ!ついでに全部捨てちまえっ!」
「全部……とは、お前の好きなバイブやビーズのことか?」
「だっ、誰があんなものっ!」

 僕の知っている『ビーズ』は豆よりも小さくて、女性が好むちょっとした装飾品だけれど……彼らの指しているものはその前に出てきた単語と似たようなものなのだろうと思うと悲しくなる。

「この間は一人で随分と楽しんで居たではないか」
「あれは……っアンタが中途半端に放置するから……仕方なく……っ」
「二回もイク必要は無いと思うがな」
「なっ、ちがっ、それは誤解だって!」

 少しは恥じらいと言うものをこの二人は覚えた方がいいと思う。
 聞いているこっちが恥ずかしい。
 ……そろそろ帰ってくれないかなと思う僕は薄情者なのだろうか。いや、被害者だ。

「一回しかやってない。誓ってやってないっ」
「それにしては随分と汚れていたな。例えお前の言い分が正しいとしても、私が来た時まだ動かしていただろう」
「抜こうとしてただけだっ!」
「疑わしいものだ」

 キパリと断言するデュークさんが、なんの根拠があって断言してるのか大変理解できない。
 話の流れ的に当たり前だが、ユーリも納得できてないようだ。

「なんでそんな事言うんだよ!ぉっ、オレが欲しいのはアンタのだけなのにっ!」

 ――っと、ここで決め台詞が入ったか。
 内心、もうすぐ終わる痴話喧嘩にほっとする。
 何故終わると断言できるのか、その根拠は既に何度もこれと似たような台詞で痴話喧嘩が目の前で終わっているからだ。

「アンタの以外でイッたって、全然気持ちよくねぇし、たっ……足んねぇ、のに……」
「ユーリ……」

 しかし恥ずかしい。
 というか居たたまれない。
 もう何度も聞いたような台詞だがしかし恥ずかしいし色々辛い。
 そんな僕を置いて二人は少しだけ距離を詰めた。
 イコール、勿論僕とデュークさんの距離が縮まった。

「ユーリ、帰ろう」

 手が僕の目の前に伸ばされた。
 勿論デュークさんはユーリに向かって伸ばしているつもりなのだろう。
 ユーリはといえばまだ僕の後ろにいる。

「今日は、お前の好きにしていいから」

 今日は、……と言うことは、明日明後日にはまた二人の攻防があるのだろうかと僕は未来の自分を心配するが、ユーリは目先の事しか見えてないらしい。

「……じゃ、カテーテルは使うな。一生」

 ああ、ユーリもヤル気はあるんだねうん若いっていいね。
 そして自分からカテーテルって限定してるってことはある程度許容してたのか、友達としてはアブノーマルな道に進むのはやめて欲しいな。
 相手が男の人って時点で手遅れかしまった……。

「ユーリ」

 ――ここできましたか、微笑み。
 滅多に表情を動かさないデュークさんの微笑み。
 以前ノロケられたときユーリはこれに大層弱いと言っていた。
 確かに、特別な感情を持ち合わせてなんかいない僕でもクラリとくる何かがある。

「……ん」

 影が僕の横を横切った。
 見ればユーリがぶすっくれながら前に出てきている。

「……邪魔したな」
「アハハ……」

 ユーリの手を取って、デュークさんはようやくこの部屋に来てから初めて僕と目を合わせた。

「……悪かったな」

 ユーリはユーリでバツがわるそうに目を逸らしている。

「そう思うなら喧嘩する度家に来ないでよ」
「別に、喧嘩じゃねぇし……」

 それはノロケなの?どうなの?なんなの?
 口を尖らせながらフンと鼻を鳴らしたユーリに尋ねはしなかったが非常に困った。
 そのまま仲良く手を繋いで、部屋から何事もなかったかのよう二人は出ていった。
 喧嘩するほど仲がいいとは言うけれど……ほんと、僕を巻き込まないで欲しい。
 僕はやっと帰った台風に盛大な溜め息を吐き出した。
 次はいつ来ることやら……。
 頼むからもう二度と来ないでくれ。



 嬉しくないことに、台風はその二日後にやってきた。