不思議に意味不明
オケですか?
**終わらない夢
「ユーリ、そろそろ起きたらどうだ」
「……」
「まったく……あと少しだけだからな」
ぁ、れ?
目が覚めて、違和感。
何かがたらないと思うが何かは思い出せない。
悩んだのは一瞬で、きっと、たいしたことではないのだろうと思うことにした。
まだ寝たりないと言う脳に従って、シーツにくるまったまま間もなく意識を手放した。
「おはよう」
「……んー」
「……まだ寝ているつもりか……?」
「もー……ちょい……」
「仕方ないな……」
夢を見た。
夢を見た、気がする。
頭がぼんやりしていてよく覚えていないが、なんだかすごく暖かい夢だった。
ぬくぬくとした日差しのせいかもしれない。
きっとそうだろう。
二度寝のせいか、なんだかまだ瞼が重い。
どうせ一人ですることもない。
惰眠を貪ることにした。
「ユーリ、……まだ寝てるのか?」
「……ぐー、」
「寝た振りをするならそれはいらないだろう」
「……わかんない奴だなぁ」
「構って欲しいのか?」
「わかってんじゃん」
「フっ……、後悔しても遅いぞ」
「させてみろよ」
「よく言う」
笑い声に、起きた。
けど、夢の出来事だから当然近くには誰も居ないし、誰かの声すら聞こえない。
随分と楽しい夢だった。
楽しいとは違うかもしれない。
なんだか……、そう、幸せだった。
おかしなこともあるものだ。
自分がさっき夢の中で誰かと何かを話していたのに何を話していたのかも思い出せなくなっているのに。
ただ幸せだったことだけは覚えてる。
また寝れば、またさっきの姿を、声を、暖かさを、感じるのかもしれない。
そう思うと直ぐに瞼が落ちた。
白い。
白い髪が、キラキラ光ってる。
「」
男が笑う。
微かに口端を上げて、目を細めて綺麗に笑う。
無性に嬉しくなって、名前を呼んだ。
「」
夢を見たんだ。
アンタが居なくなった夢を。
おかしいだろう、こんなに近くにいるのに。
「」
同意を示してくれた男は穏やかに笑ってくれた。
ああ、夢か。
これは夢なんだ。
やっとずっと感じていた違和感がわかった。
「おはよう」
「……はよ」
「今が何時か分かってるか?」
「さー?」
「こら」
「だって、いつでもかわんねぇよ」
「変わるだろう。また今日お前と話す時間が少なくなった。いい加減起きろ」
「寂しい?」
「言わせるか?」
「オレ、な。アンタにおはようって言われるの好きなんだ。おはようって言うアンタ、すっげぇ、もう女神みたいなんだぜお前」
「脈絡が無い上女神とはなんだ」
「はははっ、そう怒るなよ。最近夢見が悪いからさ、朝起きて、アンタが居て、アンタに呼ばれるのがすげぇ嬉しくてさ、余計そう見えるんだよ」
「……今日は随分と饒舌だな」
「もっと言ってやろうか?」
「お願いしよう」
また知らない間に眠ってしまった。
早く起きないと、起きなくては。
アイツが寂しがってる。
もう、ほんとはずっと起きていたって構わないんだ。
だってもう眠気なんかとうに無くなってる。
「…………」
「まだ眠いのか?」
「んー……おかしいな、眠くない筈なのに……」
「疲れてるのか?」
「まさか」
「しかし体が睡眠を欲してるなら寝た方がいい」
「でも……」
「安心しろ、ちゃんとまた起こしてやるから」
ならいいか。
じゃあ、おやすみ。
アンタ、ちゃんとここに居ろよ。
またおはようって言って、
――――、ぁ、れ、
?
「おはよう」
白い長い綺麗な髪。
絵に描いたような美人。
でも声は低くて、胸もない、肩幅も広い男。
「……はよ」
ぽんと手のひらが頭に置かれて、髪を梳くように撫でられた。
男は穏やかに微笑んでる。
「……」
「どうした?」
この男が好きだ。
優しい手も、微笑みも、声も、髪も、全部。
父のような、兄のような、優しい、恋人のような。
なのに、なんで、
「ユーリ?」
「なぁ、ア ン タ 」
目が覚めて、違和感。
何かがたらないと思うが何かは思い出せない。
悩んだのは一瞬で、きっと、たいしたことではないのだろうと思うことにした。
なんだかまだ瞼が重い。
どうせ一人ですることもなにもない。
ひとり。
何故だろう、違和感を感じる。
体のどこか、ぽっかりと穴が空いたような、変な感じ。
まだ寝たりないのかもしれない。
瞼を閉じた。
「おはよう」