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 目には見えないが、デュークがにこにこと頬を緩ませている姿が何となく目に浮かぶ。
 背中から胴に廻された片腕とは別の手が何度も髪を梳く。

「……なぁ、飽きねぇの?」
「うむ」

 心なしか弾んだ声にはため息しか吐けない。

「なにがいいんだか……」
「強いて言えば、」
「ん?」
「お前が大人しくしている事が、良いな」

 呟きに返されたと思ったら、この台詞。

「オレは猛獣か」

 冗談混じりに言えば真面目に返される。

「より質が悪い」
「そりゃどういう意味だ」

 流石に聞き捨てならないと、身体を捻れば頬になにか当たった。
 視界にはチラリと白い影。

「……なんだと思う?」

 近すぎるくらい近いところで耳に向かって直接音が響く。

「……知るか」

 ふいと前に視線を戻せばクスクスと小さく笑われた。

「覚えていてくれても、構わないのだがな」

 きゅぅと少し強く抱かれてしまえば黙るしかない。
 デュークは暫くクスクスと笑い続けていた。