**思い返せば全部仮定の話だった
「ユーリ、お願いがあるんだ。僕はもうすぐ死んでしまうかもしれない。だから最後になってしまうかもしれない願いを一つ叶えてくれ。お願いだ」
あんまりにも真剣な眼差しに、固い表情。
久しぶりに会った、嘘の苦手な親友兼恋人のような者のその様子に冗談だと笑い飛ばすことができなく、二つ返事でユーリは承諾した。「……っわかった。何をすればいい?」
「……目を、少しの間だけ閉じてくれないか?」若干どころでなく、かなりよくわからない願い事だが、フレンの余裕のない顔を見て頷いた。
「わかった」
目蓋を閉じて、視界からフレンが消えた。
「ありがとう」
フレンのほっとしたような声色にユーリは少しだけ安堵したが、ふわりとなにかが瞼を覆い、まったく明かりを感じなくなり動揺する。
「え?」
反射的に目を開けようとしたが上手開かない上、少しだけ開いたはずの視界は真っ黒だった。
「じゃ、いただきます」
「は、なに?フレン?え、ちょぉおおおっ!!!!!!」
散々身体を弄られて、あらゆる意味で叫びに叫んだ後、フレンは晴れやかな顔でとてもにこやかに締め括った。
「僕、もう少し生きてける気がしてきた」
「……そーかよ」力なく突っ伏したユーリは、掠れた声でそうとしか言えなかった。