たぶん
調教師デュークとケモノなユーリ
バイオレンス
暴力的
苦手な人は退避
**シーツの上か、腕の中
刹那の事だった。
「――っ!」
ケモノに噛み付かれ、思考は一時停止した。
漸く働き出した脳が理解した痛みの出所に手を添えると、赤く濡れた。
深くは無く、出血も少いがそれでも痛みはズクズクと広がり血は溢れ流れる。
「……なんの真似だ」
「マーキングだよ」
血の付いた口端を持ち上げてケモノは不敵に笑う。
「アンタが、オレのだってシルシ」
「……いい度胸だな」
「ぅっ、……ぐっ!」
男はケモノの首を掴み、その喉を締め付けた。
「私も、付けようか、シルシ。……この、分らず屋に」
「っあ゛……、い゛っ!」
酸素を断たれ苦しみ、身体を捻り手足をばたつかせるケモノの首筋に男は噛みついた。
「お前の飼い主は、私だ。……忘れるな」
ケモノのような鋭利な歯を持たない男の歯形が、ケモノの首筋にクッキリと付いた。
ケモノは凸凹とした自分の肌を確認するように撫で、笑った。
「……はんっ、こんなんじゃわかんねぇな」
「ほぅ……?」
「オレからじゃ見えないし、そのうちこの痛みもこの痕も無くなるだろ?そうしたらオレ、自由じゃん」
笑うケモノは男の肩に腕を乗せて擦り寄った。
「どうせそんな痕付けるなら、もっと奧に、忘れられないくらい深く残せよ」
じゃれるように。
媚びるように。
「……っは」
これには男も笑った。
「懲りない奴だな」
「お互い様」
「生憎、獣ほど私の欲は強くない」
「アンタがソレを言う?」
「ああ、言ってやろう。逃げるつもりもないくせに、自由を求める振りをする天の邪鬼にな」
「『ご主人』には結構素直なつもりなんだけどな」
「場所が限定され過ぎだ」
言い合いながら噛み付く様に合わせた唇は血の味がした。