付き合ってる二人




ちょいとアダルト


いいかな?
























**処方箋は自分で拵えます



「もう駄目だ……」

 言ってのし掛かるように抱き付いてきたデュークに首を捻る。

「どうしたんだ?」
「実は厄介な病に掛かっていてな、……そろそろ心身ともに限界なのだ」
「なんだってっ?」

 それは大変だ。
 ユーリは慌てて身体を捻ってデュークに向き直った。

「お前、人に乗っかる前にベッドに行けよな。熱は?厄介っていうと腹下してたりとかなんかすんのか?」

 額に手を当て顔を覗き込む。
 特別熱が高いわけではないらしい事に少しばかりほっとしたが、

「ユーリも一緒でないと意味がない」

 額に置いた手をデュークに取られた。

「デューク?」
「それに、熱があるのはコッチだ」

 決して力任せではなく誘導されて改めて手を置いた場所。
 確かに額よりも熱く熱を孕んでいたが、ユーリは高熱であるという事実とは違う意味で絶句した。

「……………………」
「差し詰めユーリ欠乏症とでもいうか、そろそろ……何と言うか、そう。禁断症状が発症そうで、自分でも何をするかわからんのだ」

 普段と変わらない無表情、寧ろ真顔で言うデューク。

「………………え、と、したいの、か?」

 まさかデュークが、あのデュークが、そんな事を言い出すとは夢にも思っていなかっただけに、調子が狂う。
 普段は自分から誘いを掛けていたのだ。
 関係を持ってから誘われたことは今まで一度もなかった。
 毎晩誘いを掛けるのも悪いと思い、確かに最近はご無沙汰だったが、まさかデュークから誘われるとは。
 しかも、なにやら知らぬ間に随分と溜まってる様子。

「早く、ユーリの声が聴きたい……、私を求める、甘くていやらしい声が聴きたくて、言わせたくてどうしようもないのだ」
「ばっ、えっ!?」

 今まで一度も聞いたことの無い台詞まで吐き出す始末。
 デュークから「いやらしい」等と言う単語が出るなんて驚きだ。
 ……けど、

「ちょっ、ちょい待ってくれよ。まだ真っ昼間だし、昼飯作んなきゃ……」

 いつもとは違う流れ、しかも昼中にそんな話題は真っ盛りな彼でも憚れるものがあったがしかし、

「昼間してはいけない決まりがあるのか?」

 相手は人の常識の薄いデューク。
 困ったことに下町育ちのユーリもお天道様輝く真っ昼間から色を売る者を見たこともあれば、聞いたこともある。
 そんな決まりはない。
 デュークの疑問に正直に答えてしまった。

「ねーけど……」
「なら問題ないな」

 言うとデュークはそれこそ熱っぽい吐息を吐いた。

「……しよう?」

 甘えるように顔を擦り寄せ腕を回されたユーリは今まで経験したことの無い事態に困惑した。
 いや、困惑なんてかわいいものじゃない。
 清廉潔白を絵に描いたような恋人からは連想もできない淫らな誘いを受けたのだ。
 行為事態はしていても誘うのと誘われるのじゃわけが違うし、その上時間帯が時間帯だ。
 顔と言わず全身が火を吹いているような気がして居ても立ってもられないのに、身体どころか脳味噌までもが硬直して動かない。
 デュークは暫くそんな彼の返事を待ち眺めていたが、全く動く気配の無い彼を認めて担ぎ上げた。
 そのまま向かった先は言うまでもない。