はいはいはい

死ねたが通りますよー

やまおちなし

























**この怒りは届いてますか、この悲しみは届いてますか?



「馬鹿だな」

 青年はそう溢した。

「アンタ、ほんと馬鹿だよ」

 その瞳には涙さえも溜めこんで。

「そういうの、オレ、嫌いだ」

 否。
 涙を流しているのは彼ではない。

「泣くなよ。馬鹿野郎」

 重い瞼を閉じればぽたりと雫が落ちる。
 もう一度、彼を映したかったのに、何も見えない。

「泣きたいのはこっちの方だ」
「……そう、……か……」

 なら、よかった。
 言ったのは聞こえただろうか。
 何が良かったのかは自分でもわからない。
 敢えて言うのであれば、彼が泣かずにいて。

「オレ、治癒術使えねぇんだけど」

 怪我を負わずに済んで。

「アンタ、この世界を末まで見届けるんじゃなかったのか?」

 声が聴けて。

「なぁ」

 生きていて。

「答えろよ、馬鹿野郎」





よかった。