はっぴーばれんたいんなんちって
ほんとバレンタイン関係ない

ユーリにお菓子を食べさせたらこうなった


**居たのは腹を空かせたガキ二人



「欲しい」

 言われて、手に持っていた菓子袋を差し出せば「違う」と言われた。

「それだ」  指を指されたのはもう片方の手で摘んでいた菓子袋の中身。
 ちなみに菓子袋の中にはこの一種類しか菓子は入っていない。
 だからがさりと音を鳴らして袋を突き出したのだが、デュークは菓子を摘んでいるオレの手を取った。
 それだけならまだしも、口をあけて食いついた。
 こっちにあるだろうと、まだ半分近く残ってる袋を顔に当ててやったのだが、全く気にせず指ごと食われた。

「もっと」

 その上馬鹿みたいなことを強請り始める。
 勝手に食えと、袋をまた突き出したのだが「いらない」と言わんばかりに突き返される。
 オレもつくづくこの男に甘い。
 そんな自分にため息を吐きながら袋から菓子を摘み出した。
 口元に持っていけばぱくりとまた指ごと食われる。
 指先を吸いながら離れた口は同じ事を繰り返し強請った。


「もっと」

 まったく我儘なやつだ。
 仕方なく再び菓子を摘みあげて、口元へ運んでやる。
 同じように指ごと食まれて、柔らかくぬめった舌が指に絡みながら菓子を奪ってく。

「もっと」

 デュークはガキのようにまだ強請る。
 流石に口寂しくなって自分のために菓子を拾い上げたが、自分の口に運ぶ前にそれも食われた。

「オレの分まで全部食う気か、アンタ」

 ちったぁ我慢しろと言えば「お前こそ」と返された。

「私がこれだけで満足すると思っているのか」
「知るかよ」
「では覚えておけ」

 言って、デュークはオレの手から袋を取り上げ、あろう事か投げ捨てた。

「おいデューク、」
「全く足りん」

 菓子なんかオレの口の中に残骸すら残ってないのに、執拗に探られて、食われた。
 お互いの口から食い意地の張ったガキのように涎が溢れて垂れて、空腹感を自覚させられる。

「……オレにも食わせろ」

 目先の好物に興奮したガキの頭を抱えて言えば、

「少しくらい我慢したらどうだ」

 せっかく自覚した空腹感さえ食べられた。