R18

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エロ

しかしエロシーンはほぼカットに近い


パラレル
特殊設定

アンドロイドユーリ
もはやユーリじゃない

エロ漫画的なかんじ
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OKならスクロール























あなたはちゃんと18歳以上ですか?































おけですね?




























































**新生活の始まり



「愛玩用アンドロイド?」
「そう。本来はな」
「……私は家事全般多機能型を買ったつもりなんだが」
「だから、本当はそっちが『多機能』部分」

 アンドロイドに限らずあらゆる機械製品が普及する現在。
 デュークは今まで全て自分の手で生きてきた。
 炊事洗濯掃除にその他諸々家事全般。
 機械に頼らずとも生きていけるし、寧ろ機械に頼る事は人間を堕落させるだけで良いことなど効率化のみだとも思っている。
 しかしだ。
 いくらデュークがそう思っていようと社会が変わる。
 流石に電子レンジや洗濯機、掃除機等は仕事もあることで、家事をする時間がない為時間を短縮するため買い揃えてあったが、つい先日それらが一斉に壊れた。多少の故障ならば今まで修理に出していたが、どうやら手の付けようがないらしい。
 仕方なく数少ない休日を返上して新たに買おうと店にやって来てみればどうだ。
 全て、人間には操作が出来ないようになっているではないか。
 店の者に尋ねた。
 既に常識だと答えられた。
 曰く、人間の危険を排除しようとした結果がこれらしい。
 機械の操作は全てお手伝いロボットが行う、と。
 お手伝いロボットなる人型のアンドロイドの存在は知っていた。
 ここ十余年で爆発的に普及し、毎日のように改良に改良が加えられているアンドロイドについて知らない者はいない。田舎だろうがどこだろうが外を歩けば必ず一体以上は目につくくらいだ。
 初期のアンドロイドは人形に一定の行動だけをプログラムされただけの手足ある機械だったが、最近のモノはかなり精巧で、一目ではアンドロイドか人か看破できないものがあるのも知っている。なぜならそれらは会社でも事務や清掃を担って稼働しているからだ。基本的にインプットされた行動しか取らないが多少の学習能力が備わっているのもなんとなく知っている。
 しかし、家電製品の一つも人間が操作できなくなっているだなんてことは知らなかった。

「色々種類があるんですよ。掃除洗濯専用とか、料理専用とか。購入していただくと大抵セットでそれらに必要な物が付属品として付いてきます。洗濯機だとか調理台ですね。多機能型もございますがこちらは専用より性能は劣ります。ただ、専用もそうですがお値段によっても差はでますね。モノによっては説明書もいらないくらい非常に高性能な人工知能を備えています。これらに共通しているのは人型に限らず――」

 熱心に今人気の商品だとかなんだとかを話す店員にデュークは飽々し、未だ続いている説明を遮って簡潔に言った。

「一番高い、多機能型を頼む」

 幸い金には困っていない。高ければ高いほど説明書要らずならばどうにかなるだろうと安直に考えた。
 このとき、デュークは疲れていたのだ。
 店員の長々しい説明も理由の一つだろうが一番はここのところ続いている仕事上のとある契約のせいだ。連日電話に訪問。立体通信やら会議と、休憩時間をとることも出来ないほど立て続けに重なり、仕事の早さ、正確さ、能力、ついでに一見の価値ある整った外見も相まって社内中に名を馳せているデュークだったが流石にこれには参っていた。周りにはいつも通りの無表情だと、流石はデュークと言われていたが、彼も普通の人間だった。
 普段の彼ならばよくよく聞いて書面でも確かめて自分の納得するまで、店員が泣きたくなるまで問いつめて、最良の選択をしていただろう。
 この選択が間違っていたとは言わないが、デュークは早く帰って休みたいという一心でそう言った。
 一番高い、それも多機能型と言われぽかんとした店員の意識が回復するとしどろもどろになりながら電子カタログをデュークは渡された。そこに表示された数体のアンドロイド。それぞれを指さしながら始まった説明をこれまた聞き流しながら、その中から黒い文字でページが埋め尽くされた明らかに付属品の多い適当なものを選んだ。払えなくはないが流石に値の張った金額の確認だけすると、後日届けるといつの間にか担当の代わった店員に言われ帰った。
 早くも翌日の夜。
 大きな箱に入ったアンドロイドがデュークの家に届けられた。

「名前はユーリだ。よろしくな、デューク」

 若い男の姿だ。
 デュークは改めてアンドロイドの姿を見て驚いた。
 カタログにあまり目を通していなかったせいもあり余計驚いていた。
 どう見ても人間にしか見えない。
 背中まで流れる黒髪は艶やかで、とても人工毛には見えないし。
 紫紺の目は生き生きと人間のように輝いているし。
 顔の作りは男らしいはずなのに、どこか中性的。
 すらりとしたしなやかな体躯も見苦しくなく、動きも軽やか。
 表情にもかなりのバリエーションがあるらしく、表情豊か。
 すらすらと淀みなく発せられる言葉には機械音声のような不快感は無くするりと耳に入る。
 流石作られただけあって非常に見目良い外見だがしかし、作られたようには見えないほど自然に見えた。
 会社で見慣れている人型アンドロイドも中々人に近いものだったが、これには劣る。

「……よろしく」

 自慢にはなりもしないが、デュークは自分の方がよっぽどロボットのようだと思った。実際、職場での影のあだ名は「旧型(アンドロイド)」だ。
 そんなことはともかくとして、流石に高い金を払っただけはあるなと感心しながら、この日からユーリというアンドロイドがいる生活が始まることになった。
 早速ユーリには家事全般を頼み、次の日。
 その性能は確かに人がすがるのも無理ない程に素晴らしく、驚いたのも確かだ。
 仕事のどこにも非の打ち所がない。
 朝起きると用意されている見目も味も美味な食卓と、いつもより少し綺麗になったリビングと台所。
 仕事から帰ってくると温かい夕食と風呂が用意されていて、玄関から風呂場に寝室までもきちんと掃除されていた。
 しかも日常会話もそうとう滑らかに、テンポ良く、とても機械とは思えない考えや反応を返してくる。些か言葉遣いが悪いのが不思議なのだが本人曰くそういう仕様だとのこと。自分を含めたTOシリーズ作品は一つも思考性格プログラムに重複はなく、よりリアルな人間性を再現しているらしい。機体によって性格設定は細かく違い、その設定を変えることは出来ず、”この世にたった一人のパートナー”と宣伝されていることはカタログにも明記されていたらしい。ちなみにユーリの大まかな設定は”皮肉屋で不良じみているけれども困っている人をほっとけない頼れる兄貴分”らしい。十分細かいと言えば、一般的な人間の複雑怪奇極まり無い思考回路よりよっぽどわかりやすいはずだと返された。言いくるめられた感ががしたもののそれ以上は藪蛇をつつく可能性があるため黙っていた。
 その他性能は申し分ない。

「おはよう」

「行ってらっしゃい」

「おかえり」

「おやすみ」

 暫くして、それを聞くのが当たり前になり、あまり人付き合いが好きでないデュークでも誰かが家に居て声を掛けられるのはいいものだなと思うまでに至っていた。
 飯をちゃんと食えだの、服はちゃんと脱いでから寝ろだの、もっと早く寝ろだの、口煩い事を多々言われもしたが、お陰さまで体調はここのところ良い気がする。
 それに、そういった言葉は何故だかなんだか心地好い。
 長らく一人で居たからか、他人よりも近い距離にいる気がするこのユーリというアンドロイドは忘れかけていた家族の暖かさを思い出させた。

「今日は遅いのか?」
「いや」
「明日は?予定通りなら休みだよな」
「休みだ」
「わかった。あんま根詰めんなよ。アンタはいつもやり過ぎるからな」
「余計なお世話だ」
「おっと、そろそろ時間だ。いってらっしゃい」

 そんななんでもない会話も楽しく思える。
 早く家に帰ろうと思い始めたのはそれもあるのだろう。
 家に帰ったら今日は何が食べれるのかという楽しみもある。
 なかなかに充実した日々。
 それが早くも2ヶ月近く経った今日この日。
 問題が起きた。
 いつものように食事を済ませ、後は寝るだけと言うのに寝室に行かせてもらえずよくわからない気迫に壁際に追い詰められた。

「だいたい、愛玩用とはなんだ」
「セックス用。性欲処理ロボット」
「セッ……」

 身も蓋もない言葉に絶句する。

「だからさぁ、いい加減使って欲しいんだよ」
「使えと言われても……」

 どこをどうなにに使えと言うのか意味もなにもわからん。
 困惑するデュークに、ユーリはしょうがないとため息を吐いた。

「わかった。命令されなきゃホントはやっちゃいけねぇことだけど、ご主人の為だ。勝手に使われてやる」

 いったい使われてやるとはどういう意味だ。
 デュークが尋ねる前に、股間を軽く握られた。

「なっ!」

 目を剥いたデュークを尻目に片手でそこを擦りながら、空いた手で器用にズボンのベルトに手を掛けるユーリ。

「アンタも溜まってるだろ?相手いないみたいだし、寝る前どーこーしてもないみたいだし」
「っ」

 まだ柔いそれに服の上から絶妙な刺激を加えられ、デュークは呻いた。

「ほら、やっぱ、溜まってる」

 ユーリの言うよう久々な直接的な快感と、それを生み出す巧みな手付きに膨れ上がる欲望を止められない。
 デュークは驚いた。
 この程度の事で快感を感じる自分にだ。
 若い頃は自分を何度か慰めた事もあるし、女性との関係を持った事もある。
 しかし、こんなに、自身の自制がほどの快感は感じたことがない。
 緩められたズボンの隙間から滑り込んできた手が窮屈なそこからソレを取り出す。
 膨れ上がった欲望は白い手の中で更に重量を増していく。
 それを止めることが出来ない。
 増していく快感に、抗うことができない。

「出したいだろ?なぁ、イキたいだろ?」
「っく……」

 にちゃにちゃと先端から出てきた液を絡められ、新たな快感が生まれる。
 もう無かったことにはできない熱が解放を求めていた。
 ――それが、悔しい。
 いいように扱われ、デュークは悔しさを感じていた。
 もっと言えば、自分のペースを乱されるのが許せなかった。
 許せず、けれど逃れられず、悔し紛れにデュークは手を伸ばした。
 仕返し、意趣返しも込めて、ロボットの股間へ。
 ロボット相手に全く効果は無いだろうけれど、それでもなにかしなければ気が治まらない。
 そこで触れた熱に今度は驚いた。

「なんだ、これは……」

 しかも、まるで勃っているようだ。
 最近のロボットはこんなところまで精巧に作られているのか。
 実際は、ユーリが愛玩用だからこそなのだがそれをデュークが知るわけがない。
 熱を持った固さに驚きながらもデュークはがそれを握ると聞いたことの無い声が上がった。

「んあ!っ、ぁ……」

 いや、聞いたことはある。
 ユーリの声だ。
 しかし、甘い。
 今まで聞いていた声とはまるで人――これはアンドロイドだが――が変わったようだ。
 更に驚いたのはその顔。
 いつもキリリとして頼りがいのある顔が、なんとも言えない崩れた顔になっている。
 まさかと思いながら握りこんだそれを指の腹で押し擦ると、そのまさか同様の反応を見せた。

「あっ、ゃ、まってっ、んな、擦った、ら、ぁ、あっ、あっ、」

 ぶるぶると震えだしたアンドロイドの股間は更に膨れ固くなっていく。

「……人の事、言えないのではないか?」

 脱がされた己とは違い、窮屈そうにズボンを押し上げるソレをデュークはそのまま擦りながらユーリを伺うと、腰を揺らしながら若干裏返った声で応えられた。

「だって、ぇんっ、オレ、あいがんっよお、だか、らあんんっ」

 少し刺激を加えただけで上がるいやらしく、甘い、扇情的な声色。
 それに知れずとデュークは昂り、動きを早めてユーリを追い詰めていく。

「……、だから?」
「だっ、だからっ、ごしゅ……っデュークにされ、る、と……だ、めぇ……っ、」

 ガクガクと今にも倒れそうな足を壁に付いた手で支え、顔を真っ赤に染めたユーリは早くも限界を迎えた。

「あっ、いっ、っ、イクぅ……っ!」

 ビクリと跳ね息を詰め硬直したが、すぐにくったりとデュークに身体を預け縋った。
 胸元で小さく震え息を整えるユーリ。
 ゆっくりとその頭が上がり、紅潮した頬と、潤み蕩けた瞳が目前に迫る。

「……デュークも……、苦しいだろ……?」

 荒い息が唇に掛かる。
 心臓が鼓動を速める。
 触れない唇に妙な期待が募る。
 下半身が疼く。
 抑えきれそうにない欲望がそこにあった。

「楽に……、なりたいだろ?」

 つぅっと根本から撫でられ、びくりと跳ね上がる。

「使ってくれよ」

 トサリと音がしたと思ったら、握り締めていた手がほどかれ誘導される。
 くんっと引かれ、ユーリの背に腕が回り、より密着する身体。
 ユーリの片足がデュークの股の間に割り込み、お互いの足の付け根付近には固く熱いモノが押し付けられる。
 引かれた手はユーリの腰の汗ばんだ肌に軽く触れるように置かれ、柔らかな丘を這い、谷へと誘われ、ソコへ辿り着いた。

「ここ、」

 一点の窪み。
 ぬるりと濡れた柔らかな感触。
 指を上から押され、ソコに押し付けられるとつぷりと指が埋まるような感覚がした。

「デュークの、」

 猛った欲望が汗ばんだ肌に擦れてピクリと反応する。
 指はヒクヒクと反応する柔らかな窪みにグリグリと押さえ付けられて、くちゅくちゃと小さくいやらしい音を立てている。

「ここに、入れて……」

 ――理性が切れるとはああいうことを言うのか。

「あっんんんんっ!」

 若い時分でも無かった経験だ。逸る気持ちに急かされ指で解すのもそこそこに、気付けば誘われた場所に指ではなく欲望までもを埋め込んでいた。
 人間で言えば肛門に当たるのであろうユーリのソコに。

「んあぁっ!」

 もはや本能的に腰が動き、膨れた欲望がユーリを犯す。
 結合部から透明な液体がまるで女の愛液のようにとめどめもなく溢れ、いやらしい音を立ててはその行為をデュークに意識させた。
 とてもアンドロイドとは思えない、人間でも男とは思えない感触や反応に妙な錯覚が生まれる。

「あっ、ぁっ、ああっ!そこぉっ!」
「ここ、っか?」
「はひっ!あっ、イイっ!そこっ、もっとおおおっ」

 反応の良い所を執拗に突けば突いた分だけ締め付けが良くなりナカがうねる。

「っ、いやらしい」
「はぁぁあんっ!」

 半分飛んだ理性。
 残った理性が正気を保てと無理にデュークを奮い立たせているのか、自分の事など棚に上げてユーリを責めた。

「アンドロイドの、癖にっ、っ」
「あひぃっ、ぃああっあっ、あっ、あいがん、よっ、だかっ、ぁあっぁあああっ!」

 ずぶりと思いきり深く繋がると、ユーリは背中を反らして嬌声を上げた。
 その声と、自身にいやらしく絡み付いた媚肉の感触にデュークは抗いようもなく酔った。
 そのまま揺さぶりを掛ければいよいよユーリは限界を訴え始め、その昂りに吊られるようにデュークもまた欲望の吐き場所を求めていた。

「あぁっごしゅじっ、ごしゅじんっ」

 感極まった様子のユーリはそれを知ってか知らずか、強くデュークを抱きながら叫んだ。

「だしてっ!オレのナカにごしゅじんのぉっ!全部出してぇええっ!」

 その瞬間、デュークを襲った快感は凄まじかった。
 絶妙な強さの締め付けとともにうねり搾られるような感覚に促され、今までに無い絶頂を迎えた。





「いや、良かったよ」

 真面目な顔をしてユーリは言った。

「アンタが不能じゃなくて」
「……」

 対するデュークはどんな顔をすればいいのか、どう返せばいいのかわからない。
 ユーリがそういう用途で作られていたことは理解したが、それは元々自分の求めていた物ではない。それなのに誘われるままにリビングでなし崩しにそういう事をしてしまい、しかも異常にヨかった事もあって最後までいたしてしまった。その上よくよく思い返してみればユーリは男性型であり、使ったところも通常人が性行をするときには使わない場所を使った。それ用アンドロイドなのだからそれで間違っていないのだろうが、今まで付き合った者も経験したことのある相手も異性で、アブノーマルな性行経験も性嗜好も全くなかったデュークは今更ながらにあらゆる背徳感を感じ頭を抱えていた。

「あとはここにサインしてくれ」
「……なに?」

 コトリと唐突に机の上に置かれた見覚えのないタブレット式電子端末と脈絡のない台詞。
 どういうことだとユーリを伺えば、すっと手元に端末を置かれた。
 仕方なくそれを拾い上げ、読み上げる。

「……購入確認書?」

 購入確認書。
 愛玩用(多機能型・家庭用)アンドロイドーTO/typeY。色指定デフォルト。
 そんな書き出しから始まり掃除機など付属品らしき名称がずらりと並んだページだった。
 前後のページを表示してみると、諸注意と索引が載っている。
 つまりこれは、説明書なのだろうか。

「そう。それにサインして初めてオレはアンタのものになる」
「どういうことだ?」

 意味がわからずそう言えば、ユーリは淡々と説明を始めた。

「今はいわゆるお試し期間中で、三ヶ月以内にこの確認書に購入者のサインがされたものが業者に転送されないと商品、つまりオレに何らかの不備不具合があったと見なして購入が取り消されることになってる」
「そのようなことは聞いていない」
「説明書に書いてあるし、現在人型限らず電化製品に対してはほとんど常識レベル。よほどの不手際がない限り購入時に店員からの説明もあったはずだ」
「……」

 もしやと思ったのは店員が長々しく説明していたあたりだ。あまりにも長く続いていたので後半はほとんど聞き流していた気がする。
 今思い返せば自分にあるまじき失態だったと、自分が非常に疲れていたことをこの時になってデュークは思い知った。
 説明書さえ最初から読む気がなかったのだ。
 それでもちゃんとユーリを動かすことが出来たし、必要な仕事もして貰うことが出来ていたから、体調が良くなり始めた後でも存在さえ忘れていた。
 返す言葉もない。

「もちろんオレが必要ないってことならサインしなくてもいい。その時は購入金額の半額が自動的に返金されて、オレは業者が引き取りに来る。半額の理由は既にメイン機能を使用しているからだ」

 これで説明は終わりなのか、沈黙が訪れたがどうにも解せない。

「……何故、その、あの行為をしなければならなかったのだ。この確認書へのサインだけで良かったのではないか?」

 自分は壊れた家電の代わりを求めていただけだ。
 このユーリというアンドロイドは愛玩用ということだが、自分の求めていた機能も満足のいくほど十分含まれている。
 説明書を読んでいなかった自分にももちろん非はあるが、確認書への記載だけならばこの説明さえあれば二つ返事で頷いただろう。

「……アンタが愛玩用として買った訳じゃないのはすぐわかったんだけどな」

 若干責めた口振りになったからだろうか、今まで合っていた視線がほんの少しズレた。

「購入者が期間内にメイン機能を使用してない場合、実際に使用した機能のみ搭載された機体の案内が来るんだ。性能は変わらず、価格はほぼ確実に安くなるから購入者に損は無い」

 言っていることは今までと変わりない口調に内容だというのに、その仕草は何故か幼い子供を連想させた。

「案内がきたら、それを見たら、アンタは他の機体に代替えするだろ。それが、嫌だったんだ……」

 俯いてしまったユーリ。
 それを見ながら想像する。
 もし、新しい案内が来ていたら。
 ユーリは恐らく、案内が来ていると律儀に教えてくれただろう。
 その内容も、趣旨も、利点も、淡々と業務をこなすように説明してくれただろう、今のように。
 それで、自分はどうするだろうか。
 ユーリの言うように別の機体の物色を始めるだろうか。
 いや、その前に確認するだろう。

「もし、お前でない機体を選んだら、お前はどうなる?」

 おおよその見当はついていた。
 なにせ、売り出し文句が”この世にたった一人のパートナー”だ。
 一時でもパートナーが存在した機体は、そのパートナーが居なくなった後には――想像難くなかったがデュークは尋ねた。
 これは一番重要なことだった。

「……オレの場合、廃品処理される。新しい契約が一時的にでも交わされた瞬間メモリを全て消去。後に無料で業者が回収しに来る。この機体は一つの部品も残らず鉄屑に戻して溶かされるから個人情報漏洩の心配はない」

 それならば答えは決まっている。

「そうか」

 手に取った端末を操作して、サインを記入する項目についっと指を滑らせた。
 そのまま迷い無くサインを済ませ、送信ボタンに触れる。

「え?」

 呆けた声を上げたユーリ。
 それには気づかずデュークは改めて初めから説明書に目を通していた。

「……なんだ、意外と手入れを加えないといけないのか」

 放って置いても大丈夫かと思いきや、そうではないらしい。
 一日二日に一度はアンドロイドの体を清掃したり、オイルを与えないといけないらしい。年に一回は定期点検に出さなくてはいけないとも書いてあるが、こちらは時期が近づくと案内がくるらしい。そうするとまずは一度ユーリを洗ってやった方がいいのかもしれない。なにせ購入してからユーリが風呂に入った姿を見たことがないし聞いたことがない。

「ちょちょちょっ、ちょっと待てよ!」

 清掃の方法とやらはどうするのかと、次のページを見る前にユーリの叫び声に止められた。

「どうした」
「待て、いいのか?オレが言うのもなんだけど、それ、送ったらもう取り返し付かないんだぞ?もう送っちまった後だから遅いけど!」
「問題ない」
「けど!」
「けど、なんだ」

 ぐっと詰まったユーリにこれ幸いとデュークは続きの説明を読む。

「……、いたしかたない」

 思わずこぼれたのは、体の基本的な清掃は人間が風呂に入るのと同じだという項目の次に、わざわざ事後の後処理についての説明が書かれていたからだ。そこは丁寧に、シャワーを使ってよくよく洗い流せと書いてある。くれぐれも部品を外さないようにとの注意書きについて、部品とはなんのことだと詳しく読みとろうとするとまた邪魔が入った。

「本当に、いいのか?」
「……くどい」
「いやだって……」

 言い澱むユーリが理解できない。
 廃品されなくて良かったと喜んで終わりではないだろうか。
 デュークは息を一つ吐いた。

「確かに私は愛玩用を求めていたわけでは無いし、今も必要ない機能だと思っている」
「っ、」
「だが、お前との暮らしに不満は無かった」
「……え?」
「今更他の機体に変えても、違和感しか感じないだろう」

 もう、二ヶ月近くを共に過ごしている。
 多少言葉使いは気に食わないものの、もうそれが当たり前だ。
 少しばかり乱暴な物言いの中に多く含まれる優しさだとか、気遣いだとか、暖かさ。
 他の機体でももちろんそれは得ることが出来るだろうが、過ごした時間の長さが違う。
 多少なりとも愛着は持っていた。
 それが、他の機体に変更すると廃棄されてしまうというのは納得いかない。

「別に、初回以降の行為は強制ではないだろう?なら全く問題ない」
「……」
「お前が嫌で、私との契約を破棄したいと言うことなら考えるが、」
「それは無い!」
「……ならいいだろう」

 話しはこれで終いかと思いきや、それならとユーリは切り出した。

「確認書が転送された時点で、確かにオレはご主人の物になったけど、初期設定をして貰う必要がある」
「……」
「そうめんどくさそうな顔すんなよ。簡単だから」

 苦笑をこぼしながらユーリは言った。
 その後に行った初期設定は確かに簡単の一言だった。
 ユーリの手と自分の手を合わせ、見つめ合ったまま自分の名をフルネームで言うだけ。
 これで所有者の指紋、声紋、網膜紋といった個人情報を登録するらしい。

「よし、これで終わりだ」
「そうか」

 僅か五秒も経たないやりとり。
 あまりにも簡単で実感がわかないがこれで初期設定が終わったらしい。
 合わせた手を離そうと浮かせると、その手が取られた。

「デューク、」

 改めて目を合わせてなんだと問うと、この二ヶ月近く共にいたにも関わらず今まで見たことのない満面の笑みがそこに浮かんだ。

「ありがとう、これからもよろしくな」

 ――デュークとユーリの生活は始まったばかりだ。


















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某漫画の影響というか某漫画を見てアンドロイドユーリ書きたいっ
ってなった
いろいろ反省してる すみませんでした