現代パラレル
寂しがり甘えたがりわがままユーリとあまいデューク
付き合ってる二人
これ と同じ設定のつもり
オケですか?
**似た者同士
ユーリの持っているウサギのぬいぐるみは元々黒い目をしていたが、いつの間にか赤くなっていた。
ふとその事に気付いたデュークは何故だろうと首を傾げる事は無かったが、わざわざ聞いてみた事がある。
「何故瞳の色を変えたんだ?」
「白ウサギは赤目だろ」
「それは偏見だ」
「いいんだよ。オレの白ウサギは赤い目なの」
駄々を捏ねるようにフンと鼻を鳴らしながら言ったユーリに、うっかり含み笑いを溢したデュークは殴られた。
さてそのぬいぐるみ。
デュークが随分と前にねだられ買い与えてやったものだが、最近になって失敗したなと後悔をしている。
正直に言って馬鹿馬鹿しい理由だが、当人は真剣にそう悩み後悔していた。
――ユーリのベッドに転がっている白いそのぬいぐるみ。
今はただぞんざいに投げ捨てられているそれだが、ついさきほどまでユーリが腕に抱いていた。
ついさっき。自分がこの部屋に訪れるまで。
自分が顔を出せば投げ捨てられるぬいぐるみ。
しかし、それが毎度となると……
「随分と、アレが気に入りのようだが……ユーリは、その……」
「なんだよ」
「いつも、ああなのか?」
「ああ、って?」
「だから、一緒に抱いて寝たりとか……」
家にいるときはいつも抱いているのだろうか。
毎度毎度顔を出す度に腕から放り出されるぬいぐるみが視界に入って仕方ない。
自分が訪れるまでずっと抱かれていたのかと思うと、少し……、そう、嫉妬する。
「……まぁ、大抵はそうだな」
少し間を置いて答えるユーリは次いでちょっと待てと言いたくなる台詞を吐いた。
「飯食うとき寝るときも一緒だし、風呂にも一緒に入ってるからなぁ……」
「…………」
言えなかったのは予想も想定も想像もなにもしていなかった事実に愕然と呆けていたせいだ。
道理で何時見てもふわふわの綺麗な毛並みな訳だ、なんとうらやま……っごほん。
「デューク?」
「いや……なんでもない」
「……ふーん」
途端ふぃとそっぽを向いたユーリに首を傾げた。
「ユーリ?」
「アンタ、なんにも思わないんだ」
「なに?」
なんにも、というのにはたかだかぬいぐるみごときに嫉妬したことは含まれないのか、いやきっと含まれるのだろうがしかし、それを口にするのには流石にプライドが邪魔をした。
相手は一つのコミュニケーション能力も持ち合わせていない物体だ。それに対してユーリが自分と過ごす時間よりも多いと嫉妬すると言うのは恐らく 子供でも起こさない嫉妬だろう。例えば携帯電話に嫉妬する人はいないだろう。常に恋人の傍にいて頼りにされるだけでなく、その手に包まれ、息遣いさえもが聞こえるくらい唇が接近し、時には臀部にも易々と触れることを許されて……いかん、無機物にまで嫉妬しそうだ。
馬鹿らしいことなど考えなければ良かったのだろうがもう遅い。
自分の嫉妬深さに頭を抱えていると不意に大腿部にのしりと重みが乗った。
「……どうした?」
見るとユーリが乗り上げている。
自然と、彼が自分の腿から落ちないようにと腰を支えると、ユーリにぐっと襟元を掴まれ、不意打ちのそれに無防備だった頭ががくりと揺れて引き上げられた。
驚いている間に唇を噛みつくように奪われ、これまた驚いている間にどんと突き飛ばされ反射的に彼の腰を支えていた腕を離し後ろ手に着き体を支えた。
そこに、ユーリは更に乗り上げるように覆いかぶさってきた。
「ユーリ?」
いつになく積極的なユーリに問いかければ、彼は自分には何とも言い辛い事を言ってのけた。
「オレは、アンタの携帯にさえ嫉妬するような奴なんだけど」
むすりとその口は不満を訴え、可愛らしいことを言う恋人に自分はなんと返せばいいのやら。
「……、どう、しようか」
「どうしてくれんの」
「……そう、だな」
とりあえず、人形と一緒に寝るのと風呂に入るのは辞めて欲しいと進言しつつ、体勢を代えて腕に抱いた彼へ思いの丈を伝えることにした。