ユーリさん小説家 現代パラレル(あれ?パロ?どっち?
R15
なんじゃないかと思われマス
小説家ユーリと
いろいろギリギリ(アウトする)フレン----
※自傷表現
※性的表現
----おけですか?
管理人が無責任な為
自己責任で閲覧してください
**君に惑う
ぷくりと赤色が白い肌に浮かんだ。
「ユーリっ!!」
「おー。フレン、いいところに」
「なにを暢気なこと言ってるんだ君は!!」
「あー?」首を傾げたユーリの腕を取り、できたばかりの傷口を見る。
深くはない。が、浅くもない。「またこんなことして……っ!!」
「だって、わかんねーじゃん」幾つか本を出しているユーリはそれなりに名の売れた作家だ。
恋愛、推理、SF、アクション、時代物、他多種多様。
様々な世界を綴る彼は、書き連ねる世界に常にリアルさを求めていた。
それ自体は全くもって構わないが、問題は彼の行動だ。「話の展開的に主人公が斬られるシーンがあんだけどよ、お前斬ってくれよ。自分じゃどうも手加減しちまうし、臨場感に欠けて欠けて……」
「そんなことできるわけないだろっ!!」ハサミを片手に冗談にしか聞こえない物騒なことを言っているけれども紛れもなく彼は本気だ。
今までも、小説を書く為だけに無茶なことをしているユーリの体には至るところに傷痕がある。
よりリアルを求めるがゆえに、実際に行動を起こすことは止めて欲しい。
自虐はもちろん。交友関係や衣食住、その他諸々。
警察沙汰になりそうになったこともあるのだからほんとに勘弁して欲しい。「オレとお前の仲だろ?」
「使いどころが違うよ」遠慮無く消毒液を腕に垂らし、素早く包帯を巻く。
少し痛みに堪える様に呻いたユーリは、簡易な治療を受けた後まったく変わらぬ調子で言う。「んじゃ、抱いてくれよ」
オレとお前の仲だろ?とまた言ってのける彼と僕の間柄はただの友人だ。
確かに僕個人としては、性別が同じだろうとなんだろうと世間の言うところの恋人になりたいと思っている。
身体を繋げて、彼を僕で満たして、彼の全てを手に入れたいとも思っている。
しかし、だ。「……いやだ」
「なんで?」例えケラケラと笑う彼の薄い唇からこぼれる赤い舌にむしゃぶりつき、白い肌の至るところに赤く痕を残して自分のものだと世間に主張したいと思っていてもだ。
「だって、愛がない」
ユーリは一度たりとて僕を「男」として、恋愛対象として見てくれたことがない。
まぁ当たり前と言えばその通りで、普通同性に対して欲情なんかしないのだからしかたない。
なのにも関わらず彼は最近になって性行為を望むようになった。「あるある。好きだって」
「友達として、でしょ」理由は一番最初に話してくれた。
小説で情事を書く為だという。
今まで男の情動しか描写していなかったが、女のも書いてみたい。となったらしい。
その方が書ける作品の幅も増えるし、売れると。
そして、自分は女に成れないが、女役ならできるという跳んだ結論から相手役が必要になり、フレンにお鉢が回ってきた。
選ばれた事自体は嬉しいが、理由が気にくわない。「フレンにだったらオレも構わねぇし、いろいろと楽だしな」
わははと笑う彼には色気の欠片もないのに、いちいちドキリと反応してしまう自分はなんて馬鹿なんだろうと思う。
要は、誰でもいいんだ。
たまたま、僕が幼なじみで、付き合いが長く、近くにも住んでるからそういった創作活動が楽になるという理由なんだ。
決して、「僕にだったら」という台詞に惑わされてはいけない。
――その言葉に何度痛い目を見たことか……。「そういうのはお断り」
「いーじゃんか。確かに男相手にしろっつー無理難題だけどさぁー。ちょっとくらい相手しろよ」君相手なら無理でも難題でもないけれど、という言葉をフレンはぐっと飲み込み堪えた。
そういった行為は過程や好みよりも結果が大事と言う友人の方が遥かに多いが、フレンは間違っていると思っていたからだ。
ユーリが、真剣に受け止めてくれたならと想いを募らせているが、どうも過去から現在に至るまで彼が付き合ってきた女性達との関係を見るに、恋愛事などどうでも良いと考えてる節がある。
求められたから応じる。面倒だから拒否をする。――小説を書く為に事を成す。
そんなどうでもよい存在にはなりたくなかった。
自分にとって彼が一番な様に、彼にとっての一番になりたかった。
今のところは一番親しい友人という関係で満足できている。
どうせ、彼の望むように行為をするとしても今までように色気もそっけもなく、小説に必要な事だけを指示されること間違い無しだ――残念な事に。
しかし、次の瞬間。ユーリの爆弾発言により、その全てが吹っ飛んだ。「流石におっさんに掘られるのは御免被りてぇからな」
「はっ!?」今、なんと言ったか。聞き間違いであって欲しいが、聞き間違える要素がない。
「いっ……今、なん、て?」
「あ?おっさんには掘られたくねぇなって」掘るだなんて言葉、何処で覚えたんだ……じゃなくて。
「おっさんって……レイヴンさんのこと、だよね?」
長らく担当をしている編集者の名前をあげれば頷かれた。
「おー。原稿書けねぇなら手伝うとか言い始めてな」
向こうも冗談だろうけど、と笑う彼には悪いが笑えない。
まさかそんな……。確かに、女好きを自他共に認める彼はわりとユーリに好感を持っているようだったけれど……そんなまさか両刀な訳……。「まぁ、流石に色々渡されたときはビビったけど、何事も経験だよな。元々お前とヤるつもりだったし、丁度良かったと言えばそうだし」
「えっ、待って。話が見えない」ユーリは元々ノーマルだ。どんなに恋愛事に無頓着でもノーマルだ――これまた残念な事に。
『男同士』への興味や知識はなかったはずだ。
なぜなら一番最初にしようと誘われた時に、恥ずかしながら準備はどうするのか聞いたらきょとんとそれはもう可愛らしく首を傾げられたからだ。
さらに、「わかんねぇからお前に任す」とまで言われたのだからもう……あの時は危なかった。
確かにそういうプレイに興味がないことはないが、しかしっ!と我ながら物凄い理性で耐えたことを今でも誉めている。
そんな彼が、今、当たり前のように口にする言葉が信じられなかった。「だから、こっちは準備万端だって話」
やけに強い光を放つ紫紺の瞳に射ぬかれて、フレンの頭の中でプツンと何かが切れた。
「そう……」
「だから、一回でいいからヤろうぜ」
「わかった」
「えっ?」ぐいと血の滲む腕を掴み寝室へとユーリを引っ張るように歩いていく。
「ちょっフレン!?」
突然の変貌に驚き、声を上げるユーリをフレンはベッドの上に投げた。
「なにすんだよっ!!」
「なにって、セックス」目を丸くしたユーリに、「レイヴンさんに貰ったものはどこ?」と聞いたら、半ば放心状態なのか視線だけで場所を伝えられた。
予想していた物が少なくおやと思ったけれど、確かに薬品類は揃っていた。「今更だけどさ」
いくつかのボトルを手に取り、こちらを凝視するユーリにフレンは先程から変わらない顔で言い放った。
「どうなっても知らないからね」
こちとら想い続けて十数年以上。もう我慢もなにもするもんか。今まで幾度となく堪えてきたが、他の男に取られるくらいならヤってやる。元より誘って来たのは向こうだ。彼も言っている様に何事も経験だ。どうせだから色々な事を経験してもらおうじゃないか。もちろん自分も男相手は初めてだけれど、勉強はした。今まで想像するしかなかった色に酔う彼の姿を、一から十まで全て引きずり出してやる。
と、涼しい顔して恐ろしいことを考えているフレンを、「じょ……上等じゃねぇか……っ!!」
知ってか知らずか、ユーリは更に煽っていた。