下町時代
幼少期?
わかりにくい話

フレン→ユーリ→宿屋のおねぇさん

 

 

**それは小さな嫉妬心

 

「ユーリ、宿屋のおねぇさんのこと好きだよね」
「へぁ!?」

 何時ものように、二人並んでの帰り道。
 フレンが言った言葉に、ユーリは大きな目が落ちてしまいそうなくらい見開き驚いた。

「な、ぁに言ってるんだよ。おまえだって好きだろ?」

 ほんの少しの動揺。
 顔をぷいとそっぽに向けたユーリに、何故だか泣きたくなったフレンはぐっと堪えた。

「そりゃ、ボクも好きだけど」
「だろ?」

 くるりと向き直ったユーリはいつものユーリで、フレンは余計泣きたくなった。

「え、ちょ、フレン?どうしたんだよフレンっ」
「なんでもないよっ」

 くしゃりと顔を歪めたフレンの頭をユーリは慰めの意味を込めて軽く叩く。

「泣くなよ」

 まだ泣いてないと言う言葉が喉の奥で消え、代わりに別の音が出た。

「……でも、ボクはユーリの方がずっと好きだ」

 頭を叩かれながらしゅんと項垂れたフレンが、ポツリと溢したそれは届かなかった。

「なんか言ったか?」

 何と、誰と比べての言葉かはフレン自身わからなかった。
 けれど、それだけは絶対と言いきれる何かがある。

「……ううん」

 それがわかってるから別にいいやと、フレンは深く考えるのをやめた。

「それより、叩かないでよ。痛いよ」

 今更ながらに抗議したフレンにユーリは笑った。

「いつものフレンだ」

 なんだかまた泣きたくなったけれど、やっぱり頑張ってフレンは堪えた。