付き合ってる二人



**我が儘に我が儘を我が儘に



 突然口を塞がれた。
 唇同士を引っ付けて、言おうとした言葉は口のなかに消えた。
 すぐに解放されはしたが、オレは当然文句を叩き付けた。
 しかしデュークはふんと鼻を鳴らして一蹴した。

「するなら別の話にしろ」

 全く我が儘なやつだ。
 しかたなしに当初話していた話とは違う話を口にする。
 が、しかしまたも口を塞がれた。
 さっきよりも長く深く口付けられ、軽く息を乱しながらまたも不満をぶつけたが、我が儘な男は尚も我が儘を言う。

「違う話にしろ」

 確かに話題はあるが、こう何度も駄目出し、しかも接吻でとか妙な方法でされた方はたまったもんじゃない。
 何が悪いのかと問えば無茶な我が儘を言った。

「私以外の名を口にするな」

 そんな無茶な話できるはずがない。
 知り合いとの話ばかりなのだからそれは諦めろと言えば、ならばとデュークが言う。

「ならば、私といるときは私の事だけ見て、話して、感じればいい」

 なんだそれ、どんだけだよと悪態を吐くと、息が止められた。
 深く深く、奥深く。
 舌も身体も絡めて、溶けそうなほどの熱を伝えられた。

「――これでも、まだ、足りん」

 再び呼吸を許された時には、我が儘男の頼みを叶えていた。

「デューク」

 代わりにオレも我が儘を言う。

「もっと」

 我が儘男が二人に増えた。