あっという間に、男と同居する事になって既に一週間が経っていた。
今更「あん時は自棄になってたからうっかり住む事を承諾してしまったが、やっぱ一人で暮らす」とも発言できず、常に後悔の海に沈んでいる日々だ。
そんなわけで今日も今日とて男と一緒にいるわけだが、大変頭が痛い。
風邪を引いているとかそういった問題ではなく、精神的な問題だ。
思い返すまでもなく、男に対して、同性に対して抱くはずのない感情を同居の話が持ち出される前から持ってるし、今も、やっぱり他のヤツとは違う風に男を見ている。
そのせいなのは理解しているし、どうすれば回避できるかも知っている。
がしかしソレをさせてくれないのがこの男だ。
「……ぃい加減っ、放せっ!」
「嫌だ……寒い……」
「っ」
既に昼を回っていると言うのにこの男、ベッドの上から動かない。
それだけならばまだましも、オレまで巻き込む。
ぎゅっ、と回された腕で身体を抱かれ、首元に頭を摺り寄せられ、密着する。
「もう少し……いいだろう……?」
止めにやけに甘く低い声で甘えるように強請られる。
「〜〜っ!」
――別に男はオレが男に対して持っているような感情など持ち合わせていない。
ただ、寒さを凌ぐための防寒具程度にしか見ていない。
ある程度の哀れみも持たれてる様だがそんなの絶対ほんの豆粒程度のものだろう。
男にとってオレはただの湯たんぽ以外のなんでもない。
のに、こう、まるでそんなアレな感じな態度をとられれば勝手に舞い上がる自分。
頭が痛い。
これ以上接触していてもまったく自分が困るだけなのに逆らえずにいる自分が情けなくて頭が痛い。
結局、半日以上を何もせずただベッドの上で過ごしている自分達がいた。