「何を食べている」
「シャーベットだよ」

 

 

**したくなったらシャーベット

 

 

 

 果実をすり潰して、ミルクと混ぜて、適当に凍らせて削っただけの簡素の物だが、加えた砂糖の甘さがお粗末な出来をカバーしてくれている。
 勿論、砂糖は果実本来の甘さを損なわない程度に入れたものだから甘さ控えめ。
 だが、果実の旨さは上手く引き立てられてる。
 我ながらすげぇなと心の中でユーリは自画自賛していた。
 本当はもっと時間をかけてなめらかな口当たりにするのが理想だが、手っ取り早く甘味を欲しがっていた脳には充分だ。

「お前も食うか?」

 カップとスプーンを受けとると、デュークは一匙口に運んだ。

「……っ、冷たいな」
「そりゃ凍らしてるか」

 ら、当然だ。
 言い切る前に冷えた唇が重なった。

「っン」

 シャーベットを口にしたばかりのヒヤリとした舌が触れて、身体がピクリと小さく跳ねた。
 顎の角度を然り気無く変えられて、より深く絡む。
 どちらの方が冷たかったのかわからなくなってきたころ、解放された。
 ユーリは短く息を吸い込み、二匙目を何事も無かったかのように口に運ぶデュークに向かって勢いよく口を開いた。

「っのなにしぁ、っ」

 水気を帯びた冷たいものがまた言葉を止め、身体を震わせた。

「……っふ、ぁっ」

 這い回る舌に熱を預け、溶け合うように絡まると最後に軽いリップ音を立てて離れる。
 すかさず息を整えるユーリと、新たに手製のシャーベットを口に運ぶデューク。

「……おい、でゅっ!」

 ビクっ、と冷たい舌先で唇をなぞられたユーリは身体を跳ねさせ、またも侵入を許してしまう。

「はっ、ぁ、ちょ、まっ」

 離れれば触れて塞がれて、

「ほっ、ほんと、たん、ぁ」

 冷えたそれとの温度差に身体が勝手にビクついて、

「でゅぅ、むっ」

 絡ませ熱を分け合い、差の無くなったものが離れればまた冷えたものが触れる。

「……っはぁ……」
「ん、馳走になったな」

 ユーリが先に食べていたのもあって、あっという間に器の中は空になった。

「……おまえ……」

 流石に繰り返し浅く息を吐くユーリにデュークは笑みを僅かに浮かべる。

「旨かったぞ」

 次いで、ぺろりと唇を舐めたデュークに何故か顔が熱くなる。

「っの」
「ああ、そうだ」

 とにかくなにか叫びたい衝動に駆られ出かかった言葉は、先に発言されてしまい消え失せた。
  
「次はもう少し、量が欲しいな」

 ちゅっと上唇を啄まれ、その意味を察する。
 ユーリの顔が見る間に赤く染まった。

「〜〜っ馬鹿か!!!!」

 暫くの間、シャーベットは控えようと心に決めた。
 ……まぁ、なんだ、その、……多少言い換えて言うなれば、――したくなるまでお預けだ。

 

 

 

 

甘くて冷たいシャーベットはキスの合図