デュク→ユリ
「突然の告白」の続き




**それでもあなたが好きです



「……あ、」

 それ以上の言葉は無かった。
 偶然の出会いに、見るからに気まずそうに顔を逸らした青年に息を一つ吐く。

「……気にしなくて良いと言っただろう」
「っ、アンタが……っ」

 勢いよく噛み付いて来たかと思えばまた俯き目を逸らす。

「……アンタが、変なこと言うからだろ」
「変?」
「……」

 黙り込んだ青年は在らぬ方にばかり視線を向け、なにか言葉悩んでいるようだったが理解できない。
 何が変だと言うのか。
 ――思い当たる節が一つしかない。

「……私が、人に好意を向けるのは可笑しな事か」
「そ」
「良い、構わない」

 己の欲の為、他の秩序を乱す人間。
 確かに今でも人間はこの世界に悪影響を及ぼすものだという思いは変わらず有る。
 が、それだけでは無いと今の私は思える。
 しかしそれは胸の内でのみ言える事であって、口にはまだ出来ない、ほんの僅かなものだ。
 だから、そう思われても仕方の無い事だろう。

「私とて、そう思う」
「……デューク」

 青年の口から紡がれた自分の名に胸が騒ぐ。
 が、無意識だったのだろうか、それ以上の語りは無かった。

「……だが、お前に対するこの想いは、偽り無いと、そうも思うのだ」

 代わりに自分の想いを再び伝えてもみたが、状況は一変もせず、ただ時が過ぎた。
 唯一変わったとすれば、己の内の欲望が増えた事だろう。
 私の欲は彼の秩序を乱す存在なのだろうと思うと、私もまた、人間なのだという意味のない確認を繰り返した。