コレのあとの話
**けれど、
バレてしまったのはしょうがない。
いや、元々いつかは話す予定だったから最終的には良かった話だ。たぶん。
でも……「……これはやりすぎだろ」
「なにが?」ちゃんと謝罪したし和解した。
その後まったくもってリフジンなオシオキも嫌々ながら受けた。
それで元通り、いや、寧ろ今までよりも嫌な隠し事をしなくてすむぶん心が楽になると思っていた。
しかしなんだこの状況は。
ロイドは眉間に皺を寄せてゼロスを睨みつけた。「やだなぁロイド君。なによそんなコッワイ顔してー」
「だって、おかしいだろ」
「だぁら、なにが?」にこにことした表情。
嬉しくてしょうがないと言っているような顔。
ロイドの目には映らなかった。
ただ、ただ無傷な自分。
そして血を流して、至るところに傷を作っているゼロスの姿しかわからなかった。「ぁあ?これ?心配しなくても、オレ様ならへーきだってば」
ファーストエイドを自らに掛けつつ、へらへらと笑いながらゼロスは、オレ様はお前と違って敵から受けた場所とか、今のは当たりが悪かったとか覚えてるからいいんだよと言った。
まったくもって反論できない。
一度戦闘が開始すれば、目の前の魔物をどうにかしようとしか動けない自分が悔しい。
そもそもそれが原因で今回バレてしまったのだ。「でも、それでもっ!!」
「ロイド」ビクリと身体が跳ねた。
いつもより少し低めの声で名前を呼ばれるのは行為の最中か、怒ってる時ぐらいだから。
瞬間に、なにか悪いことを言ったか考えを巡らせたけれど答えが出ない。
ゼロスを窺ってみると、無表情にこちらをみていた。「お前が心配してくれんのはすげぇ嬉しい。けど、お前がオレを心配するように、オレもお前を心配してんだよ」
「で……でもっ、お前だってっ!!」
「過保護かもしれない。けどいいだろ?世界再生の旅じゃお前は誰よりも前に出て頑張った。今は二人しかいないんだ。コレットちゃんもガキんちょもいない。少しは頼れよ」遮るように早口で言ったゼロスの言葉にドキリと胸が跳ねた。
次いで、なにか、どこかのつっかえが取れた気がした。「お前は頑張ったよ。やりきった。だから、少しくらい休憩していいんだ」
もちろん、そこそこエクスフィアの回収は張り切ってなと言ったゼロスに思わずすがり付いた。
目の奥が熱い気がしたけれど、涙は流れなかった。