「デュークとは状況が違う。違いすぎるわ」






「でも、見てられないよ……」






「いい?アイツは自分の意思で忘れたの」






「一種の自己暗示よ」






「そこまでして忘れたの。忘れたかったの。それをどうしろって言うの?」






「とは言っても、私たち、どうすればいいのかしら……」






「ほっときなさい。それがたぶん、一番いい」







「敢えて言うなら――」






















 最近、夢をよく見る。
 内容は覚えていない。
 ただ、夢を見ていることだけは覚えている。













「ユーリ、そっち行った!」
「っく、このヤロっ!」
「やった!?」
「いえ、まだよ!」
「ジュディ!」
「っは!」

 ジュディの槍が一閃した。

「キャンっ!」

 見事目標の首元、首輪に槍が上手く入り込み、犬がプラリと宙に浮いた。

「やった!」
「こんなところかしら?」
「……犬相手にそれかよ」

 愛犬が槍の恐怖に晒されている現場を、依頼者が見ていないことだけが救いだ。





「随分すばしっこい犬だったな」
「速さじゃラピードの方が速いけどね」
「カロル」
「そうだな。そういやアイツも随分帰りが遅いな」

 何処かへ姿を消したラピード。
 もしかしたら嫁さんの所へ行っているのかもしれない。
 それにしたって遅い。
 そう思いながら、オレは全く心配していないようだった。 だって、アイツが一緒にいる。
 ダングレストに来てから早くも半月。……アイツ?知らない。そんなの知らない。
 来たばかりの頃は体が鈍っていたようで何故かフラフラとしていた自分の足取りも今はしっかりしている。オレは大丈夫。
 仕事も上手くこなせている。それしかできない。
 逆に心配するなよと何処にいるのかもわからないラピードに言いたくなった。オレは大丈夫だから。
 それから、ちゃんと飯食ってんのか、寝てんのか、休んでんのか。それ以上考えるな。
 随分お節介なことまで考えている。オレは大丈夫なんだ。
 勿論ラピードはちゃんとした生活を送っているだろう。ラピードがいるから平気だ。
 心配なのは――、?……だれが?
 心配なのは、だれだ
 直ぐ隣でカロルがジュディに小さく謝っているのが随分遠くの会話に聞こえた。































おはよう



























「おはようユーリ!」
「……」
「……ユーリ?」
「……ぁ、ああ。はよ」

 ――夢か。

「仕事は?」
「今日は無いよ。けどもうお昼だからさ、一緒に食べよう」
「……」
「ユーリ?」
「……ああ、そうだな」

 酷く。
 酷く残念に思った。
 それが昼まで寝てしまった時間の経過のことか、今日の予定に仕事が無いことか、夢のことかはわからなかったが酷く残念に思った。









 最近、夢をよく見る。