Please give the「Manual」to…
「来い」
そう言われて仕方なくデュークは先に歩くユーリの後ろに付いて行くことになったのだが、暫くするとユーリは少し振り向き無愛想に言った。
「早く来い」
ぷいっと間も無く前を向いて歩き始めたユーリに続いて、言われた通りにデュークは少し歩調を早めた。
黙々と歩くユーリの背をデュークもまた黙々と見ながら歩いていたが、その背が再び振り向き怒鳴り声を上げた
「こっちだっつってんだろ!隣だ隣!」
言われてこれまた仕方なく隣に並ぼうと大きく足を踏み出したが呼んだ本人はくるりと背を向けて歩き始めた。
なんだ、行かなくてもいいのかと歩調を緩めた瞬間、気配か足音かで感付かれたらしい。
「てんめぇ……っいい加減にしろよ!」
ズンズンと、わざわざ歩いた道を引き返し距離を詰められてしまった。
暴力行為に訴えそうなユーリの様子に、少し身構えたデュークだが、想定外にぶらりと下げていた手を取られて、引っ張られた。
「これくらい、言われなくても分かれ阿呆」
眉間に刻まれた皺の多さと、腹の底から出したような声に何かに怒りを感じている様だが、デュークには全くわからなかった。
そもそも、何故、意味もなく町の散策に出掛けなければいけないのかもわからなかった。
それ以前に、ユーリが望み、不本意ながらに承諾することになった「恋仲」という立場の取る行動というのも未だによく理解できていない。
結局、いつもと変わり無いではないか。
恋人になったのだからするのだと、よく解らない口上で誘われたの町の散策は手を牽かれながら、特になにも無く町を一周して終わった。